タコ。

「あっ、にいちゃんか!今日、手長あるか?」

ここ最近、やけに多い電話でのお問い合わせ。

”手長”とは、見たまんまで名づけられた手の長い「手長だこ」のこと。

確かに、”泉州ならでは!”で、今しかない旬のものではあるが、

果たして電話までして食べたいものなのか?と不思議で仕方が無い。

さては、みのさんか?

いや、全国区のみのさんが泉州限定のものを取り上げたりはしないはず。

では、誰が…?

そんなことを考えながら”とれとれ市”へ。

もちろん、巷で噂になっている”手長”もどっさりと積んで帰ってきた。

そこへ愛すべきおかあさんとその娘さん。

夏がそこまで来ているとはいえ、娘さんの格好といったら…。

「♪夏だね?」とTUBEが歌っているかの様。

その前田さん(仮)の「あっ、手長やん!」の一言に、

「あんた、旦那に食わしたり!上手な炊き方教えたるから…」

と、おかあさんが豪快にポンッポンッとご購入。

すると、隣で”上手な炊き方”を耳にしたおかあさんが黙っていない。

「えっ?どないしますの?これって、炊いて食べますの?」

と遠慮なしにレクチャーを受け、ご購入。

今度は、別の愛すべきおかあさんが

「別々に袋入れといてな。友達のところへ持っていくさかい」とご購入。

なるほど!噂を広めていたのは、みのさんではなく、

我らが愛すべきおかあさんであった。

娘へ広め…、店内で広め…、友達へ広め…、

じんわりと地元の料理を一生懸命伝えようとされている。

素晴らしい!である。

前田さん(仮)よ、特に若い方には知っていただきたい。

今の時期は、電話をしてでも「手長」を食べよう!でっせ。

2008-06-12

大儀。

”食育”という言葉は、以前と比べ、明らかに広がってきている。

少し前までは、なんとなくでしかなかった言葉だが、

BSE問題や偽装問題などから

自分の身を守るために食の知識が必要となったり、

「キレやすい子供は食生活が乱れている可能性が高い!」

「子供の肥満や生活習慣病が多発!」

と、メディアがよく取り上げることもあって

お子さんがいらっしゃる家庭においてはとくに深刻な問題と捉え、

”広がってきた”というより

むしろ、”せざるを得ない”と言ったほうが妥当かもしれない。

その”食育”だが、ほとんど誰も口にしていない頃から

一生懸命伝えてまわっていたのが、私の師匠・石原奈津子さん。

もちろん、今でも全国各地を飛び回って頑張っていらっしゃる。

子供が生まれたこともあり、食を担う職業に就く私も

せなアカン!と義務感に駆られ、

”かるがもクラブ”の設立に至ったのも、もちろん師匠の影響だ。

そんな中、”食育”のことを右も左もわからない私に師匠とともに

親身に後押ししてくださった方が先日亡くなられた。

「みんなの前でお前がやってることを発表せえ!」と、

頼りない私へ叱咤激励してくださったことが懐かしく思える。

「大儀をもって仕事をせなアカン!」とも、常々おっしゃられた。

スーパーにおける”食育”とは、ビジネスとしての戦略じみたことではなく、

おっしゃられるように「大儀」である。

だからといって、小難しいことを伝えようとは思わない。

家族と”食卓を囲む!””コミュニケーションをとる!”

などの極々当たり前のことをするだけ。

その食卓の会話に少しでもこのブログの話なんかが出てくれば、

と願うばかりだ。

そんなんでもいいですよね?師匠!中東さん!

天国から怒られんように盛大きばります。

ご冥福を心からお祈りいたします。

2008-06-09

嵐山。

先日の休みに”嵐山”へ出かけた。

なぜか?

以前、人間が創造できないもの、例えば、海や山などの壮大なものを

子供のうちから見せることで感性がよくなる!という話を耳にしていたので

常々「どっか連れてったらなアカンな?」とチャンスをうかがっていたのだが、

ええとこ連れてったれ!と言わんばかりの五月晴れが決定打となり、

なぜか頭をよぎったのが…、というのが、”嵐山”の背景である。

どこがどうええのか?とか、そんなもんいらん!なのだ。

日本人である遺伝子の求めるものが、そこにある。

「なんでかわからんけど、ええな?!」

ただ、それだけ。

また「渡月橋」という名前の粋なこと…。

「よろしおすな?」である。

もちろん、テレビや写真などで見ることはできるが、

実際に見るのでは「こんなにちゃうもんか!」ちゅうぐらい違う。

※札幌の時計台など、「あれ?」とたまにガッカリすることも…。

「やっぱり、京都はええな?」と車に乗るまではよかったが、

運転嫌いの私には、帰りの車中ほど嫌なものはない。

到着するや否や、抜け殻と化した私に容赦なく襲い掛かるのが、

車中の仮眠により疲労回復した息子とのウルトラマンごっこ。

「シェア?!」

「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って!今日はどこへ行ったんやったっけ?」

「え?と、川!」

「おまえ、川って…」

く?、である。

覚えてないやろけども、意味もわかってないやろけども、

できるだけ連れてってやりたいものである。

2008-06-05

つばめ物語ファイナル。

”つばめ”到来で「ブログも3年目になるな?」とふと思った。

一昨年、昨年と綴った「つばめ物語」だが、

さすがに3年目となると、まあ見事に綴ることが無い。

「例年通り、一生懸命子育てに励んでいる 以上」ぐらいのものだ。

私のツバメ達を見守る目が3年前と全然違うことから

「3年目の浮気」を作詞された方の心の内がどこか見えてきたりする。

”♪3年目のつばめぐらい?大目に見てよ?”である。

開き直るその態度が気に入らなかったのか、最悪の事件を巻き起こした。

何をどう間違えるのか解からないが、

たぶんおとんつばめであろう、自動ドアの開いた隙に店内へ滑り込み、

「あかん!捕まった!」と勘違いも甚だしく、天井付近でパニックに陥る。

雛達は解かっていないが、異変に気づいたおかんつばめが

「あの人、どこいったんや!まさか、若いつばめと…」と大騒ぎ。

おとんにしたら「それを言うなら、あんたやろ!」と言いたいところ。

が、そんな余裕も無く上へ上へと飛び続け、一向に降りてくる気配がない。

閉店後、鳥目の習性を配慮して店内の電気を薄暗くし、

外灯をガンガンに光らせ、「こっちが外ですよ!」の誘導作戦を開始。

我々が30分ほど祈るように見守る中、やっとこさ脱出に成功。

そこへ怒りをあらわにしたおかんがやってきて、

「あんた!私一人でエサやっててんで!どんだけ疲れたか!

雛が四羽もおんのに…。あんたがおらんようになったら…。

うちは…、これから…、@△×…」

ピピピ…と、最後の方は言葉をつまらせるほどの大激怒。

「いや…まあ…そう鳴くな!ちょっと…いろいろあってな…

でも、こうして帰ってきたんや!ワシもたいがい疲れてんねん。

ちょっと一服でもさせてくれ!」などと、そんなやりとりが行われている。

私も一安心し、一緒に一服でもと自動販売機へ。

「うわっ、買われへんがな!タスポや!」である。

家に帰ってそんな話でもしたもんなら、「ええかげん、やめたらええねん!」

と、妻のいやみが飛んでくるのは明らか。

おとんつばめよ、黙っとくんが一番やな。

2008-06-02

新喜劇。

本日の私の「愛すべきおかあさん方(お客様方)」を紹介いたします。

しかし、心から”愛すべきっぷり”を披露してくださる。

おとうさんとおかあさんの二人でされているあるお好み屋さんから

配達を頼まれ、「まいど?」と元気よくお店に入ると壁に「白鵬」の手形が。

「あれ?うわっ!横綱の手形やないですか!食べにきましたん?」

「まだ大関かなんかの時や!びっくりしたで?。椅子二つ並べてな?…」

「へ?、えらい記念やないですか!」

「なあ、にいちゃん。白鵬さん、何食べたと思う?」(なぜか小さい声で)

”知らんがな!”をギリギリで飲み込んだ。

「いやっ、ん?、普通に豚玉2枚と焼そばかな?」

「ブ?!ミックスモダンでした?!」

”だから、知らんがな!”を、もひとつ飲み込んだ。

「それから来ませんの?」

「そら、そやで?。えらいさんになってもうたからな?。

まあ、それでも食べに来てこそ、ほんまもんやねんけどな?」と。

確かに!である。横綱に対しての見事な”愛すべきっぷり”。

「ほんまですわ。今まさに忠告すべき時ですよね」である。

「あっ、ほんでな。かつおのタタキだけ先持って帰ってもう食べてんけどな。

たいがい旨いで?、あんたとこのかつおのタタキは!」

「ありがとうございます。そない言うてもろたら、なによりです」

「あのな?、これはな?、産地で食べるんといっしょの味や。

行ったこと無いけど…」

辛抱しきれず、「無いんかいな!」と椅子をひっくり返させていただいた。

角の方で座っていたおとうさんが手をたたいて「上手や!」と笑う。

そんなん褒められても…、だ。

とにかく、まだまだ元気に仲良く続けていってほしいものである。

かつおなどのお買上、ありがとうございました。

2008-05-29

とろろこぶ。

ふじっ子さんとの商談でのこと。

「ネバ?の食材は苦手ですねん。もちろん、”とろろこぶ”も。

だいたいどうやって出来てるんですか、あのペラペラのやつは?」と私。

「なんなら、削りましょうか?」とふじっ子さん。

このやりとりで成立した先日の「”純とろ”削り実演販売」。

まず削る前の物体に度肝を抜かれた。

sikaku

「なんじゃこれ?宇宙から来た謎の物体Xやん!」である。

「まさか…、こいつが…」と疑ってかかる私に

「昆布をギュ?と圧縮して…」とふじっ子さんの説明に力が入る。

物体Xを身動きが取れないように機械の中へ閉じ込め、スイッチオン。

tororokobu

「うわ?、出てきよった?!」である。

わずか0.02mmと健全な青少年なら間違いなく食いついてくるだろう薄さ。

「初めて知りましたわ?」と愛すべきおかあさんに話すと

「なんや、息子。こんなんも知らんとスーパーやってんかいな?」

だいたいの方がご存知で、ボロカスに怒られる始末。

で、そのだいたいの方は「懐かしい」のと「削りたて」に大満足の様子。

「食べてみ?」と促され、試食をさせていただいたが、

自分の持っているイメージをはるかに超える旨さに驚いた。

また、「食べ過ぎたら、お腹くだすで?」と食物繊維の多さを物語る

ふじっ子さんと愛すべきおかあさんのお言葉に勉強させられる。

やはり、モノを売るだけの商売ではアカンな?と痛感した。

「食育」にもつながるこのようなイベントは、もっともっと企画しなければならない。

食が満たされている今のこの世の中だからこそ!である。

ふじっ子さん、ありがとうございました。

2008-05-26

ざるラーメン。

”昔からこれが好きやねん!”の意識は、なかなか根強い。

夏に向けて続々と新しい商品が開発されているが、

結局、「いつものやつ」に戻ることが多いのでは?

例えば、ポテトチップスなどのお菓子によくある○○味、もしくは○○風。

「なんで?おかず??お菓子のはずやけど?」のような

何を食べてるのかわからなくなってくるものも…。

「なんやいうても、うす塩やろ!」になってしまう。

ただ、メーカーさんから言わせれば「一度食べてもろたら…」なのだ。

で、大々的に「自信ありまっせ?!」とメディアをフル活用。

私なんかで例えると、CMにまさかの”ミポリン”が起用された商品であろうもんなら

「うわっ、ミポリンや!久しぶり!」と、すぐに試すであろう。

と、こうなればいいのだが、テレビにも雑誌にも新聞にもどこにも案内がなく、

ごくごく一部の方にどんな味かを知っていただいただけで

知らない間に売場から消えていく商品を今まで何度となく目にしてきた。

メーカーさんが自信を持って送り出したにも関わらず…だ。

何が言いたいのかというと、そうなって欲しくないやつと展示会で出会った。

それが、こいつ。

zaru

ブログで綴るのも「なんか、やらしいな?」とは思いつつも、

案内せずにはいられない仲になってしまったのだ。

だって、”子供をおんぶしてる愛すべきおかあさん”のマークやし…。

しかも、2食で200円前後とラーメン有名店泣かせの価格やし…。

ただ単に「こんなん好きやねん!」やし…、である。

日之出屋の自慢の焼豚と一度お試しください。

CMでミポリンがズズズ?ッといわしてくれたら、一発やねんけどな?。

2008-05-22

男の料理。

休みの日、先日ブログで綴った”フーチャン中華料理の素”のことを思い出し、

「よっしゃ!今日はワシに任したらんかい!」と焼飯をつくることに。

息子達に”男の生き様”を見せなければならない。

とりあえず、上半身は裸。

頭にタオルなんかを巻いて、男たる格好は準備万端。

妻の「あ?せえ、こ?せえ」のごちゃごちゃうるさい明確な指示にも

「じゃかましわい?!」と、徹底した男っぷり。

しかし、勢いよく始めたものの、全くと言っていいほど料理をしないので

「塩どこや?塩?」「あ?、卵やってないわ!」など不手際さが目立つ。

さきほどの「じゃかましわい?!」の暴言によって、

妻の援護はまず無い!と考えるのが妥当。

「あかん!ええかっこ見せなあかんのに…」と振り返って見ると

そんな私の心境などどこ吹く風で全員が「ちびまるこちゃん」に釘付け。

「せっかく料理してんのに見てくれよ!」である。

全員の注目を集めるためにも

「♪タッタタラリラ?…」の鼻歌に、そして、鍋を振る手に力が入る。

そして、いよいよ完成間近。

妻に「旗なんかあるかな?」と懇願し、できたのがこれ。

yakimesi

「これが”男の料理”っちゅうもんや!」と、息子に持っていくと

「うわっ、おやまご飯や!」と、なんや情けないへなちょこな名前を一言。

「ちゃうやろ!チャーハンでもなく、おやまご飯でもなく、焼飯や!」である。

もっと、こう”男”が前面にでた名前がええのに…。

息子達よ、まあ、名前なんかどうでもええわ。

”男の生き様”をしっかり焼きつけたか?

私と”友蔵”が、ごちゃまぜになっていないことを祈る。

追伸 言わずとも、味は”中華料理の素”によって妻からも太鼓判をいただけた

2008-05-20

縁の下の力持ち。

本日の私の「愛すべきおかあさん(お客様)」を紹介いたします。

シーチキン片手にえらい勢いでもめている2人のおかあさん。

身体のことを考えてカロリー控えめのシーチキンを奨めるおかあさんと

旨いもんが喰いたい!と一向に耳を貸さないおかあさんの壮絶な闘い。

「あっ、にいちゃん!この年寄りに言うたって!言う事聞かへんねん!」

「あんたも年寄りやないか!うちは若い!」

わはは…、である。

「そない怒らんでも…。まあ、でも、身体のこと考えたら…」と私。

「ほうか!にいちゃんが言うんやったら、そないしとくわ!」とあっさり。

「どないやねん!やらしいで?、ほんまに!なあ、にいちゃん」

仲良く喧嘩するトムとジェリーだ。

「ほんでも、あれやな?。暑なってきたな?。鰻丼でも食べたろか!」

話が変わりすぎ…である。

「にいちゃん、武士天さんの鰻丼はなかなか旨いで?」

「そうですか!ありがとうございます!」

「なんちゅうても、山椒が旨いねん」

鰻関係無しのお言葉に、向かいの豆腐屋までこけそうになった。

「あんた!鰻を褒めたらんかいな!なんやねん、山椒って…」

「しゃあないやないか!山椒が旨いねんから!」「そやかて…」「△@×…」

トムとジェリー 再び… である。

ええ加減、その仲の良い喧嘩も放っておくしかなく

”山椒って…”についてよくよく考えたが、わからなくもないことがわかった。

私がハンバーグを好むのも、オムライスを好むのも、その料理が…ではなく

なんちゅうても、ケチャップとウスターソースが旨い!なのだ。

しゃぶしゃぶにしてもぽん酢やし、湯だこなんかも酢味噌やし、

お好み焼にいたっては、ビールとかまったく関係ないものまででてくる始末。

気づかないような存在が意外に力を発揮し、主役を引き立たせていたのだ。

人間も同じで、一人では所詮ちっぽけな力でしかない。

”周りにいる人達のおかげ”という感謝の心を忘れてはならない。

鰻丼でかなり深い勉強をさせていただいた。

お買上げ、ありがとうございます。

2008-05-15

発見。

愛すべきおかあさんとよく雑談させてもらっているが、

営業マンとも、商談とはなんら無関係な話をよくする。

無駄であるかのように思うが、ひょんなところから意外に良い発見がある。

私欲を顧みない素晴らしい日本の逸話・「稲むらの火」のモデルは

ヤマサさんの7代目当主であったこと。

子供の健康づくりに…とカルシウムの「カル」とビタミンB1の「ビー」で

「カルビー」さんが誕生したこと。

冷たいものを食べて頭が「キーン」と痛くなったら

おでこに冷たいものを当てると治ってしまうこと…、などなど。

そんな話をするうちに、営業マンの想いや心意気などが垣間見えたりし、

意外と金銭だけの商談以上のもんになることが多い。

”有用の用を知りて 無用の用を知るなきなり”である。

上記のような言葉もそうだ。

小さい頃、先生やおじいに「覚えとけよ!」といろいろなええ言葉を

意味もわからずに、繰り返し繰り返し、復唱させられていた。

「いっこも意味もわからんのに…」と思っていたが、

大きくなって意味がわかった時、そのルーツをたどるのが非常に良いと聞く。

世の中には、無意味なことなど無い!…かも、である。

しかしだ、ここ数年で3本ほど発見しているのだが、

「え?!なんでやねん?どないしたん?」というビックリするような所から

毛が生えているのには、まったくの無意味でしかないように思えてならない。

抜こうにも、なんか身体に影響するのでは…、と躊躇ってしまう。

意味ないし、意味がわからん!と無視していたのだが、

先日、運転免許更新の写真を見てふと気づいた。

妻から失笑されるほどの”おっ産100%使用”の顔。

はは?ん、なるほど!

あの毛は、おっさんへの階段を上る合図やったんやな!と。

無意味ではなかったんや!と。

…などと、無駄と思えることから意味を見出そうと考える

このブログを綴る時間もまた、意味があるものと信じたい。

しょうもない毛の話やけども…。

2008-05-12

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