自分とは。

おいおいおいっ、大丈夫か、地球?である。

こう暑い日が続くと本当に心配になってくる。

で、まあ、店の前で愛すべきおかあさんへご挨拶すると

「にいちゃん、ほんまに暑いなぁ」なんて声が返ってくる。

そして、「あんた、どんだけ暑いんや、どれ?」と私の腕を触る。

いや、ええよ、全然ええ、ほんま、なんぼでも…

どこをどれだけ触ってくれてもかまへんけど…

な、なんで、触るん?だ。

あっ、そういえば、ネットニュースでは「セクハラ」が話題で

んっ?これも「セクハラ」が適用されるのだろうか?と頭に浮かぶ。

いやいやいや…、こんな49歳にもなるおっさんをね

愛すべきおかあさんが笑顔で触るとか、もうね、素敵な物語である。

じゃあ、俺も…って、あほんだら、そんなもん、許されるわけがない。

そもそも「セクハラ」なんて、私世代っていうか、私を含め

おっさん連中が、死ぬ気で向き合わなアカン案件だ。

えーっと、触りたいか、触りたくないか、どっち?

そんなコンパのノリで聞かれても返答に困るが、

どない考えても「セクハラ」なんて…である。

なぜなら、私は日之出屋の代表という仮面をつけたり、

3人の息子の父親という仮面をつけたり、

さまざまなペルソナを演じている。

ぜーんぶ仮面をとっぱらってただの個人なら…もしかしたら…

なんだけど、うちの社員が…うちの息子が…とか考えるわけで

自分勝手に好き放題できるはずがない。

それこそ、我のまんまで「わがまま」であろう。

冒頭の「大丈夫か、地球?」にしても

自分さえ良ければでなく、次の世代のことを考えなきゃいけない。

そう、次の世代にあたる長男が誕生日を迎えた。

19歳にもなる。

もうね、私よりでかいし、すっかり大人なんだから…

とは思うけど、何をするにしても、やっぱり息子たちが頭をよぎる。

将来ね、長男が結婚とかしたりして子供ができたりして

アホみたいに暑いなか「外で遊んでこい!」とか言えるんかな?とか。

将来ね、あんたとこのお父さん、セクハラしたんやてね…

なんて、後ろ指さされたらさすがにかわいそうやろ?とか。

ということでだ、誕生日でいい機会だから

「自分」という言葉の定義を長男と共有しておきたい。

自分の「自」とは、己とか我とか個人、個性を意味する。

で、自分の「分」とは、何かの一部分の「分」という意味で

それがくっついて「自分」と、私は解釈している。

つまり、誰もが何かに所属しているということだ。

長男の場合だと、家族の一員だし、大学の一員、サークルの一員、

たくさんの友人、大阪人、日本人、地球人…

何かに所属意識を持ったうえで「自分」を確立してほしい。

19歳にもなったんだから、

親の言うことをそない聞く必要もないと思うし、

自分のやりたいことを存分に楽しんでくれたらいいと思う。

ただ、さて「自分」とは?と頭の片隅にでも置いてくれれば…。

なにわともあれ、長男よ、誕生日おめでとう!

私は、なんとか地球が熱なり過ぎんように

何からやってええんかわからんけど、活動していきます。

次の世代のために…。

2023/08/21

たらこスパゲティー。

数十年前、私はアメリカへひとり旅にいった。

前職を辞め、日之出屋へ入社する前に

「ち、ちょっと、一か月ほどアメリカ行ってくるわ」

なんて、寝屋川に行くみたいな感じで行ってきた。

行き当たりばったりで、バスを乗り継ぎ倒し

もちろん、っぽくするために髭なんかも伸ばして

観光地という観光地をだいたい回ってきた。

テレビとかでね、映像では目にしたことがあっても

やはり、体感するのとは全然違うと感じる。

ま、でも、見た瞬間は「おぉ、スゲー!」って感動するも

例えば、NYに3日ほどいたら「いや、もう、難波やん」とかね

えらいもんで慣れてきよんな…ってのも感じた。

で、こんなことは、言葉で説明できないから

長男が大学生にもなったことやし、夏休みなんだから

「ひとりでどっか行って、肌で感じてこいや!」と煽る。

じゃあ、まずは近場から…なんて「台湾」を選びよった。

ええがな!ええがな!ちょっと中国とアレやけど、

もしかしたら、未来には「台湾」が…な感じかもやけど、

旨いもんでも食うてこい!と送り出す。

帰りは、台風で日本に帰れないトラブルにも巻き込まれ、

「旅行やなぁ」の体験もできたみたいやし、良かったのでは?だ。

私の時との違いといったら、もうね、スマホだ、スマホ。

むちゃくちゃ便利やないかい!である。

当時ね、西から東に行くのにえげつない長距離のバス…

隣に座るのがまたアメリカンサイズのバカでかい奴で…

「ヘイ!俺の領域にテメーのファッキンケツがはみ出してるぞ」

なんてまさか言えるわけがなく、そいつのせいで

愛読書の「地球の歩き方」を鞄から出しにくくもなってるし、

仕方なく窓に押し付けられているぐらい身体を小さくして

ずっとほぼ変化のない砂漠の景色を眺めるしかなくて

暇すぎて気が狂いそうになったのを思い出す。

あの時、スマホあったらなぁ…である。

旅行にしてもビジネスにしても人間関係にしても何事にもだ

失敗の三原則「奢り・思い込み・情報不足」が当てはまる。

特に情報不足なんて「スマホ」でほぼ解消できる。

「準備8割」とはよく言ったもので

いかに情報収集が大切なのか…って旅行では学んだりする。

そう、私の場合、「金がなくなったらヤバい…」と

スーパーでアホみたいに入った食パンとパスタを購入し、

リュックに入れて毎日それを自炊して食べていた。

デカい瓶に入った美味しくないトマトソース味で、毎日…。

その時、あー、あの絡めたらええだけのたらこスパゲティのヤツを

なんで日本から持って行かへんかったんや…荷物にもならんのに…

といったように、準備不足・情報不足を死ぬほど後悔した。

あの時、まぜるだけのスパゲティーソースがあったらなぁ…である。

息子よ、長期の海外旅行は「スマホ」と「たらスパ」は忘れるな!

ま、とにかく、かわいい子には旅をさせよ!だ。

今や、ピーチなんていう安い航空会社があるし

世界中を旅して、そこらじゅうで友達を作ってほしい。

お互いに友達だらけになれば、そう、戦争なんてできなくなる。

延期して8月6日に帰ってきたのは、そういう意味かもしれない…。

2023/08/08

13周年。

暑すぎる日が続く。

で、こう暑くなってくると、堺駅南口店オープンを思い出す。

当時、「観測史上最高気温!」とニュースで大きく取り上げられ、

「こんな時にオープンって…」と頭を抱え、絶望したような…。

買物を躊躇するぐらい暑いし、オープンしたことも認知されておらず、

通路に大根を並べて西瓜でボーリングできるんちゃうかぁ?

なんていう渾身のブラックジョークは誰も笑えないレベルで

店内はえげつないほどガラーンとした状態だった。

何度も心が折れそうになったけど、折れなかったのは

そう、愛すべきおかあさん方々のおかげである。

来店されるお客様が、状況を察して

「にいちゃん、痩せたんちゃうか…。がんばるんやで」

などの励ましの言葉が本当に有難かった。

「3年は辛抱せなアカン!」

あんた、経営者か!っていう叱咤激励にも奮い立たされた。

このように応援してくださるたくさんのお客様のおかげで

そう、「13周年」を迎えることができるのだ。

本当にありがたいことで心から感謝申し上げます。

お取引様にいたっても、めちゃくちゃ応援していただいた。

挨拶はもちろん、「ありがとう!おおきに!」と

お取引様には感謝の言葉を2回言わなアカンわ!

とかって自分ルールを決めたのも、この時だ。

我々の分とお客様からの代弁分の2回。

今は、3店舗になったから3回せな!と思いつつ、

忘れちゃったりして…情けない…ごめん…である。

とにかく、心から感謝申し上げます。

そして、スタッフにも死ぬほど助けられた。

いやー、当時は、仕事するにも不安でしかなかったと思う。

会議しても言葉少なめで

何とも言えん視線が何十本も私に突き刺ささるわけだ。

いや、もう、弁慶やん!ってぐらい。

で、まあ、それでもぶっ倒れなかったのは

突き刺した張本人でありながら

がっしりと支えてもくれたスタッフ達のおかげである。

心から感謝申し上げます。

しかし、もう13年か…である。

観測史上最高2010から13年経過した今、

最高記録がどんどんアホみたいに塗り替えられている。

いやね、これだけお世話になってきた方々が

「暑いのぉ!」と困っているのに黙ってられるかい!だ。

企業として我々ができることとは?

まずは「FOR THE GREEN EARTH」企画として

大阪の耕作放棄地を再生していければ…なんてねっ

できる範囲内でお客様と共に取り組んでいきたいと考えている。

いただいた皆様からの恩恵は、直接お返しするのは当然ながら

次の世代へとしっかり恩送りしなければならない。

返しても返しても返しきれんぐらい貰ったんで…。

それでは、これからも変わらぬご愛顧を賜りますよう

どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023/07/24

目ぇつぶれる。

惣菜のお弁当づくりを手伝うことに。

勝手がわからず、邪魔だけにはならないとようにと

一生懸命、私の愛情と一緒に白ご飯をセットしていく。

ひと段落し、ご飯が入っていたバットを洗い場へ。

いくつか米粒がついており、お客様へ提供するにも…と

「このまま置いといてええんか?」って聞けば

「洗うんで、そのまま置いといてください」と返ってくる。

「いや、ちょっと米粒がついてんねん。目ぇつぶれへんか?」

そう投げかけると、隣にいる若いスタッフが

明らかに「はぁ?」の顔をしている。

「その世代っすね」と、別の私と同じ世代の声。

ちゃうやん!世代、関係ないやん!

昔から脈々と伝わってることちゃうん!

いや、日本人は全員言うてると思ってたわ…である。

ただ、その若いスタッフは米粒は残さないとのこと。

なるほど、残したらアカン教育はされてるんだけど、

手段として「目ぇつぶれるで」指導はされてないだけなのだ。

確かに、ちょっと怖いわな…である。

さて、この「目ぇつぶれるで」ってのはどういう意味なのか?

調べると、「神様が宿る」など諸説がいろいろある。

そのなかで、一番ストンッと腹に落ちたのが

「米粒に感謝もできないやつは

世の中のさまざなことが見えるわけない」みたいな説。

誰や?どこのおばあちゃんや?上手に言うて…だ。

食育において、今、個食とか孤食、さらには虚食に至るまで

こ食が食卓の問題としてクローズアップされている。

料理を見ることなく、スマホに夢中のまま食事したり…。

流行りのウェルビーイングにおいても

個食とか孤食ってのは、明らかに課題になるであろう。

じゃあ、その課題を解決するために

企業はどのように動いているのか?ってなるんだけど、

逆にね、「ひとり化」ってのが活況なような…。

ソロキャンプ、ひとり旅、ひとり焼肉、ひとり〇〇…。

そうそう、バレンタインデーでも自分のご褒美に…とかね

いや、わざわざね、その日にご褒美したらんでも

自分へでしょ?いつでも好きなだけご褒美やったらええがな!

そんなことを思ったりするんだけど、違うのだ、たぶん。

うーん、誰かと食事するとかってのは煩わしいのかな?

いや、わかる!そんなもんね、痛いほどわかる!

焼肉でもね、美味しく食べようと、目の前で大事に大事に

一生懸命裏返したりして育ててた焼肉が、知らない間に

無くなってて、あれっ、俺の焼肉は?って隣見たら

いや、犯人、おまえかい!みたいなことは往々にしてある。

だけど、それも含めて「焼肉」ではないか。

断っておくが、ひとりで食べるのがダメ!と言ってるわけではない。

私だってひとりで食べたい時なんて山ほどある。

ただ、なんかね、言葉にできないんだけど、

そっちのが断然いい!っていう風潮が、ちょっと…なのだ。

あれっ?世の中が見えなくなってるのだろうか。

アカン!もっとキレイにご飯を食べないといけない。

2023/07/13

思い込み。

先日、お店であったことなんだけど、

どこからどう見ても外国人顔をしてたので

「英語いけるかな?」って思いながら話かけると

「すんません、〇〇ってありますか」とか普通に話しだすから

めっちゃ構えたのに…なんや日本語かい!ってつまずく。

いやね、お客様は全然悪くない。

勝手に思い込んだ私が100%悪い。

また、ええ歳になったからなのか「最近の若い子は…」なんて

個人の特性で一括りにしたらアカンのに、言っちゃったり…。

ホント「思い込み」ってやつには気をつけないといけない。

で、この思い込みなんだけど…ワインだ、ワインのロゼ。

いやね、ずっと昔から中途半端なやつやろ…そんな風に思ってて

一度も飲んだことがなかった。

聞くところによると、本場フランスでは白よりも飲まれてるという。

いや、フランスどころか世界中でロゼの人気が爆上がりなんだとか。

もっといえば、ワインっつうと、知識が必要なんじゃないの?みたいなね

空気に触れさせるとか、色がどうとか香りがどうとか、

飲むときに「ヒョロロロ…」って訳のわからん飲み方せなアカンとか、

ルールっつうか、ゴチャゴチャうるさそう…そんな思い込みがあった。

ま、んなもん関係あるかい!どない飲んでもかまへんやろ!って

知識も何にもないけど、ここ数年、私なりにワインを良く飲んでて

そう、ロゼの話に戻るが、ワイン担当者がね

「向こうでは人気なんですって!」と、あまりに言うから試すことに。

まず、ピンク色ってや…おっさんが飲む色やないで…

ワインいうたら赤か白ちゃうの…なんか邪道みたいな感じするやん…

えぇ、赤と白と混ぜたみたいな…どうせ中途半端な味で…どれどれ…

いや、旨いがな!である。

どないなってんねん、これ!である。

もうね、食事中なんか、絶対ロゼやん…そんな風にまで思えてきた。

知識がないもんだから、選んだ赤ワインが重すぎることで

食事の邪魔してるような気になって「あぁ失敗したー」とか、

魚は白やろと安易な考えで選んだ白が

軽いっていうか物足りなくて「み、水やん…」とか、

そんなことが多々あったんだけど、

ロゼワイン…ちょうどええがな!である。

重た過ぎず、軽すぎず、手軽な感じでちょうどええ!

それは、10人ぐらいで飲みにいくわけでもなく、

たびたび会ってる友人と2人で飲みにいくわけでもなく、

ちょっと久しぶりの4人の飲み会ぐらい。

それぐらい気に入ったのだが、さて、この想い、どう伝えれば?

たぶん、ロゼへの思い込みは私だけではないはず…。

そこで、実際に飲んでいただこう!と

7月15日土曜日13時頃から

堺駅南口店のイートインにて試飲会を実施する運びとなりました。

オススメのワインを数種類ご用意いたします。

第4のワインとか言われている

「オレンジワイン」ってのもお試しいただきたい。

えー、ロゼ?オレンジ?そんなん飲んだことないわ…

特にそんな思い込みたっぷりのお客様は是非!

ご来店、お待ちしています。

2023/07/03

誰か。

忘れられない食べ物って何ですか?

そう聞かれて即答できる人は少ないように思う。

なぜなら、昨日食べたものさえ

「んっ?えーっと、何食べたっけ?」と覚えてないほど

食事っていうのは呼吸をするのと同じレベルで

日常に溶け込み、忘れられていくようなものだからだ。

では、言い方を変えて…、ある料理に対して、

例えば、ハンバーグについてエピソードはありますか?

なんて聞かれると、ほとんどの人が

えげつないぐらい鮮明に具体的な記憶が蘇り、

あらっ、忘れられへん食べ物やん!ってなったりする。

うーん、言い得て妙っていうか、不思議な感覚である。

結局、誰にでも「忘れられない食べ物」ってのがあって

そこには十人十色の壮大なストーリーが隠されている。

いやね、こんな流れになったのは、お惣菜の

「なすのはさみ揚げ」を目にした瞬間、「はさみ揚げ」括りで

30年ほど前の遠い記憶が、鮮明に蘇ったのだ。

はじめて女性に手作りしてもらった料理である。

「ワシは仏さんか!」ぐらい女性用かな?小さな茶碗に

盛られた白ごはんと食べた「れんこんのはさみ揚げ」は

えっ、一発目から、はさむやつなん?ムズいんちゃうん…

ってか、不味くはないけど、旨い!っちゅうか何ちゅうか…

なんてね、ふと感じたこと思ったことを言葉になんてできず、

とにかく、「うまいわー」とか「へえぇ、凄いなぁ」とか

心にもないことを振り絞って言った19の春の夕暮れ。

それが、現在の私の妻で…

なんて言えばキレイなんだけど、ち、ちゃうわ…どないしよ…。

えーっと…、昔々、私が修行していたスーパーマーケットで

いや、どんだけ間違うねん!の失敗ばかりのパートさんがいて

毎度のごとく海老の解凍を間違え、これ以上間違えたら殺されるで!

と心配になり、身代わりとなった私が「僕が間違えました!」って

チーフへ報告すると、烈火のごとく執拗に怒ってくるもんだから

「わかりました!みな、買います!」と、若気の至りで言い返し、

当時一人暮らししてた妻んとこへ アホほどの量の海老を持って行き

「えらいもんで、私です!って白状せんと、ペコッとだけして帰ったわ」

なんて、パートさん殺人事件を回避した話をしながら食べたエビフライは

今でも忘れられない妻との「“エビ”ソード」である。

さて、このように「忘れられない食べ物」というのは

料理そのものではなく、背景や空間などとごちゃ混ぜで記憶している。

もっというと、「誰か」が存在しているようだ。

ひとりで作り、ひとりで食べた料理なら誰も…の場合だとしても

誰かに教えてもらった料理…とか、誰かを想って食べてたりとか…、

そもそも、その素材は誰かの手によって作られたりとかで

間違いなく「誰か」が大きく関わっているのである。

「いただきます」

「ごちそうさま」

命をいただくから…などの深い意味があるだろうけど、

うーん、「誰か」へ言うてる場合がほとんどのような気がする。

そこに「日之出屋のスタッフの誰か」が登場したもんなら、

「にいちゃんがな…」って食事中の会話にでも登場したもんなら、

どんどん忘れられていく…切なくて尊い仕事をしてるうえで

こんなに嬉しいことはない。

2023/06/19

心の交通整理。

長男が車の免許を取得するために教習所へ通いだした。

あるのとないのとでは世界の広がり方が違うと思うので

しっかりと学んでドライブを楽しんでほしい。

一方、心配の種が増えるのはどうしたもんか…である。

過失なんかもあったりして

もしも、加害者にでもなったもんなら…とか、ええ。

で、まあ、彼はレアな体験をしているから

人一倍気を配ってくれるのでは…とも思っている。

そう、「ひき逃げ」である、高校生の時に。

自転車に乗ってるとこを当てられて、思いっきり逃げられたのだ。

警察から連絡があり、現場へ飛んで行くと

彼はピンピンしていたのでほっと胸をなでおろす。

大きな怪我もなく、自転車も無事なことから

「おまえも悪いねん!」と、彼の過失もあったのではと厳重注意。

数日後、犯人が捕まったと警察から連絡がある。

長男の確認が必要らしく、ふたりで警察へ向かった。

彼が確認している間、警察の方から

「お父さん、この後、会ってもらいますけど、暴力とかは…」

なんて、親が暴れだすパターンを想定して注意がある。

「いやいやいや…あいつも悪いねん、たぶん。

ま、ケガもなかったし、ええ勉強させてもろたって思てます」

感謝とまではいえないものの、前向きに考えていた。

しかし、いざ、ひき逃げ犯と顔を合わせると、自分でも驚くぐらい

血が上ってきて「えっ、阿吽像のどっち?左?」顔になってるのがわかる。

おぉ…こんな俺でもやっぱり親やねんな…と実感する。

深呼吸をひとつ。

いろいろと話をして、怪我もなかったし、何もないと思うけど、

一応ね、とりあえず、ひき逃げ犯の携帯番号を聞き、

「ひきにげはん」と私の携帯へ登録をする。

手続きを済ませ、車に乗り込み家路についた。

車中、車の危険性についてこんこんと説いてると

私の携帯からラインの通知音が鳴った。

「ほんで、あれや。車の運転中にスマホを見るとかも絶対アカン!」

ええタイミングで鳴ってくれるやないかい!である。

ま、反省する部分は確かにあるかもしれんわ…なんて

自分の非も認めて肩を落とす彼を見送り、車庫に車を停めた。

ふぅぅ…大きくため息をつき、安堵したのと同時に、

そういえば、さっきラインが鳴ったな…

ってポケットからスマホを取り出し、ラインを確認する。

「ひきにげはんと友達になりました」と。

いや、なんでやねん!である。

誰もいない車内に私の「なんでやねん!」がこだまする。

そう、自動運転とかAIとか便利すぎる世の中だ。

ラインのやつだって、こんなこと自動でできたら、いいでしょ!

って、むちゃくちゃ考えて開発した仕組みであろう。

もちろん、あれもこれもで痛ましい事故がめっきり減ったと聞く。

しかし、AIだけではわからないことだってあるのだ。

なんで、ワシがひき逃げ犯と友達にならなアカンねん…。

うーん…車の運転もビジネスも、いや、もう、なんでもや!

最終的には、やはり「人」である。

教習所で学ぶ前に、まずは人を想う心から。

長男よ、心の交通整理からやっとこか。

2023/06/13

性善説。

漫画を結構読む、っていうか、好きだ。

なかでも「キングダム」は、たまらないぐらい…。

で、今、どんなストーリーかというと

人ってのは性善説?性悪説?人の本質は?ってなことを

なかなかのキャスティングで舌戦が繰り広げられていて

次週の展開は?と、もうね、仕事どころではない。

ま、冗談はさておき、えーっと、車に乗って羽衣店へ向かう。

外はえらい雨である。

案の定のところで渋滞が発生している。

というのは、その道は二車線で

先で一車線に変わっていくタイプだからなんだけど…

声を大にして言いたい。

ちょっとー、まさか わかってやってんちゃうやろな!と。

いやね、先で一車線になることがわかっているので

大真面目な私は早々と左車線で車を走らせている。

そんな律儀な私の車をあざ笑うかのように

右車線をビュンビュン走らせる車が多いこと多いこと。

一台、また一台…いやいやいや、ほんまか?と。

「そんな…まさか一車線になるなんて知らなかった…」

これは仕方がない!当然、割り込んでも、かまへん、かまへん

しかし、あまりの量に「ほんまに知らんかったか?」である。

ビューンと前の方で割り込んだらええねん!その方が得やん!

そんな考えで右車線を走ってるようにしか思えないのだ…。

しかも、なんていうの、ほんまはそんな意味やないのに

「ごめんね…」的なハザードよ、ハザード、余計にイラ&イラ。

ハザードやったら、何やってもええみたいにすな!である。

ま、そりゃあ、ほんまに「ありがとう」の人もおるんやろうけど…。

まだある。

ある程度のとこで「あっ、そうや、一車線になるんや…」って気づき

慌てて「ほんまにごめん」な感じの車線変更は、まだええ。

なんとなく、わかるし。

ほんまの際の際でチッカチッカって左ウインカー出す車や、問題は。

ワレ、こらっ、セコいねん!誰が入れたるかい!なんてね

心がちっちゃな男になっちゃうわけ…アカンねんけど…。

だって…やっぱり…あれはアカンよ…ってか、ようせんわ…だ。

そんなもんな、皆が皆、我先に右車線!右車線!ってなったら

どえらいことになるのをわかってるんかと…ほんまに思う。

でも、実際は、なぜそのどえらいことが起きていないかというと、

そんな恥ずかしいことできるかい!ってね

左車線を…そう、暗黙のルールを愚直に守る人がほとんどやからだ。

そう、車なんて、アフターユーの精神で乗るもんである。

これが、もし、我先に右車線!右車線!の人ばかりだとすると

収拾がつかないから、「法律」というものができる。

ただ、その法律は今のところない。

つまり、この二車線から一車線変更タイプ道については

性善説で成り立っているのだ。

一部の傍若無人のために…ほとんどの人が…どうしたもんか…

さて、仕事において立場上「マネジメント」している。

マネジメントを一言で「管理」と訳してしまうと

どこか性悪説を採用しているようであまり好きではない。

性善説でマネジメントしていきたいところだが…

うーん…果たして 人の本質とは?

答えは「キングダム」にあるかもしれない。

あー発売日の木曜日が待ち遠しい…。

2023/06/06

おばちゃん。

何の違和感もなく、普通になっちゃったウェブ会議。

時間、労力、お金…まあ、いろんなもんが免除されてええやん!である。

一方、リアル会議の良いところってのも際立っちゃって

コロナが落ち着き、以前に戻ったとまでは言えないけど、

何かと外出することが増えに増えた…。

窮屈やし、あんまり好きじゃないスーツを身にまとい

「じゃあ、行ってきまーす!」なんて店を飛び出すとだ

「おっ、なんや、ええ格好して…どこ行きや?」と愛すべきおかあさん。

どこでもええやないか!である。

もうね、すれ違う度に「見たことあるなぁ…」の顔してきて

「あんたか!」とか「んっ、誰や?」とか気軽に声かけすぎ…である。

ただ、愛すべきおかあさんが「にいちゃん!」とか声をかけるのは

もうね、長―いおつきあいで十分に関係性ができているから全然無問題!

ホント、ありがたいぐらいで、なんぼでもお話させていただくし、

いつでもどこでもウェルカムの姿勢である。

で、まあ、その、問題…にするほどのもんではないんやけど、

少数派といえば少数派やし、うん、皆が皆ってわけやないねんけど…

コロナ禍になって人と接することが少なくなって、すっかり忘れてた…

そう、「誰やねん…」な知らない大阪のおばちゃんである。

いやね、14時からの会議に間に合うように出かけたのはいいが、

「あっ、お昼、食べてないわ…」って頭に浮かんだのがカレーで

電車の中でググっと調べ、駅と会場の真ん中あたりのカレー屋さんへ。

入ると、娘さんとおかあさんかな?2人が迎えてくれる。

娘さんが注文を聞く係、おかあさんが厨房といったところか。

「えーっと、じゃあ、カツカレーお願いします」

「はい、カツカレー、いっちょう!」とおかあさん。

いや、大きい、大きい、声が大きい…誰に言うてんねん!である。

ってか、この感じのおかあさん…く、来る、間違いない…

慌ててスマホを取り出し、めちゃくちゃ忙しいわぁ…を演出。

「お待たせしましたー、カツカレーです」

おっしゃ!ダッシュで食べてお店を出ないと…つか…ま…

「お水、まだ あります?」とおかあさん。

ほらっ、きた、やっぱり!こっちの忙しそうなんておかまいなしや!

知ってんねん、水なんてきっかけやし、いよいよスタートやねん…

アカン…と思い、慌てて食べるもんやから、汗が噴き出すわけ。

「せやろ、うちのカレーはスパイスがどうのこうの…」

「へえぇぇ…えらいこだわってはんねやぁ…美味しいっす」

言わんでええのに、なんで言うねん…商売人の性とでもいうのか…

アカン…話してたらキリないわ、「この辺の人?」とか発展しかねん…

私は自慢できるぐらいの早食いなので一気に平らげる。

「ごはん、足りた?」

もうね、グイグイくる。

そんなにグイグイやってええんは、3回目からや!

初対面でここまでいけんのは、大阪のおばちゃんだけやで…である。

っていうか、うちのオカンもいっしょや…ってのも思い出す。

その血をひく私も注意しなければならない。

関係性ができてからならええんやけど、

良かれと思って話すのはこっちの都合なわけで

ええと思ってくれないことなんて往々にしてある。

うーん、私は気を付けて接客を心掛けるつもりだが、

おかあさん、あなたはそのままでグイグイやっちゃってください。

久しぶりの大阪のおばちゃん文化に触れ、苦笑いがこぼれる。

おかあさん、カツカレーご馳走様でした。

2023/05/29

社会からの要請?

スーパーマーケット以外にカフェを1店だけ運営させていただいている。

地域の方々へコミュニティスペースの提供…など理由がいくつかあって

その中に、会長のセカンドキャリアとしては?なんてのも。

だって、鬼のような仕事人間から仕事を剥奪しようもんなら、

何やったらええんかわからなくなり、ただの鬼へ…ヤバい…からだ

そんなカフェも7年ほどになり、会長も並行して元気である。

ただ、年齢も年齢なわけで…ちょっとサポートが必要かな…

忙しい時だけでも…あっ、ええのがおるわ!そう、長男である。

「おじいちゃん、足痛いねんて。手伝うてこいや」

「えーーーー、おじいちゃんとこ?」なんて言いつつ

欲しいものがあるのか、すんなり引き受けてくれた。

で、初日、りんごを剥く作業の指導を受ける際

「えっ、剝いたことない?今まで何しとったんや…」なんて

まずは今までの人生を全否定されるとこからスタート。

慣れない手つきで進めていると、来店中の愛すべき連中がのぞき込み

「おいっ、日ぃ暮れんど」「どんくさいのぉ」「怖っ、手ぇ切んなよ」

などと、四方八方から容赦のないヤジが順番に撃ち込まれ、

最終的には「昔、バナナは高級品やってなぁ話」へ発展してたという。

バナナ関係あらへんがな、リンゴやぁ!である。

ボロカスに言われている息子が容易に想像できたので聞いてみた。

「まさか “おまえら、じゃかましいわ!”とか言うてへんやろな…」

「言うか!」と。

ま、そら、そうや…と。

一方、愛すべきおじい連中とは違い、おかあさん連中は優しい。

「ゆっくりしぃや」「上手!上手!」と母の心で見守られ、

最終的には、愛すべきおかあさんが注文したものが

「あんた、食べ」の言葉とともに息子へ運ばれるという。

いや、食べ…って。

どういうシステム?である。

どんどん食べさせたろとするのが容易に想像できたので聞いてみた。

「おまえ、いらん!って言わんかい。なんぼでも持ってくるぞ」

「言うたわ!」と。

ま、言うたかて、聞かんやろな…である。

どちらにせよ、お客様方々から

愛をもってご指導いただけるなんて本当に有難い限りだ。

そうしていただけるのは、彼の力じゃなくって、言わずもがな

先々代からの余徳であることを忘れてはならない。

息子よ、勘違いすんなよ!である。

さて、えら若手と65歳以上が同時に勤務するのを見てると

なんか、めちゃくちゃ社会的に意義があるように思えてきた。

孫とおじいが…いっしょに働く…いや、煩わしいやろ!なんだけど、

今、そういうのを回避し過ぎて、ひとり〇〇みたいなのが増えたのでは。

バレンタインデーとかの「自分へのご褒美」なんてのも含め

なんでもかんでもひとりで完結し過ぎててバランスが悪いように思う。

もちろん、煩わしいことを推奨したい!と言ってるのではない。

核家族化が進むなか、触れ合う機会が少なくなってきてるっつうし、

働くことで、生きがいを見出し、健康寿命をキープできるかもやし、

仕事を通じて、ちょうどええバランス…お互いにええんちゃう?なのでは。

会長も長男も笑顔で文句言うてるのを聞き、そう感じた今日この頃である。

ところで、長男は大学が休みの時に、ちょこちょこ勤務しているそうだが、

見かけても、リンゴとかバナナなどエサを与えないでください。

これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

2023/05/22

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  1. ヤッホー!もとちゃん…こんなのでも良いですか? より

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