幸せ。

猫との生活をはじめて1か月になる。

空気みたいな存在にでもなるのかな…と思いきや

家に帰ってまず何をするかといえば、手を洗うよりも彼女を探す。

ただ、こんなに愛おしく思ってるのに全く伝わっていない。

見つけては抱っこしたい私の気持ちなど全然わかってくれないし、

虫の居所が悪ければ、少しも触らしてくれない。

強引に抱っこしようものなら…

あぶない、あぶない、今話題のアレになってしまう。

なので、100均で購入したネズミの出番だ。

狩猟の血が騒ぐのか、必死のパッチで追い回す。

私からしたら、「何がおもろいねん…」なんだけど、

彼女にしたら、たまらないのであろう。

で、たいがい遊んだら寝る。

うーん…、君はそれで本当に幸せか?

そんなことを考える。

毎日、飯食って寝て、飯食って寝て、夜中、走り回る…

それのどこが幸せなんや…と。

如何せん猫なんでね、聞いても答えてはくれないものの

まあぁ、なんとなくではあるが、見るからに、幸せっぽい、はず。

じゃあ、さっきから偉そうにしてるけど、人間様はどないやねん?

なんて、彼女はそんなこと気にもしてないだろうが、どうだろう…

「人はパンのみに生きるにあらず」ってイエスが言ってたし…

えーっと、各国の約1000人に

「最近の自分の生活にどれぐらい満足しているか」を尋ねて決める

世界幸福度ランキングってのがあって、日本はなんと47位!

んっ、あれ?よ、47?低っ…ほんまかいな?である。

いつでもどこでも誰とでもスマホでつながれるし、

腹が減ればすぐに美味しいものが手に入るし、

昔に比べ、物質的にはほぼ満たされた状態であるにも関わらず、

47位って?猫の心配してる場合か!なのだ。

しかし、現代人は何をもって心が満たされるのだろう…

単純にお金なのか?

間違いなく大きな要素ではあるが、それだけだとさすがに寂しい。

で、一時でなく、ずっと続く…流行りのサステナブルね

ほでまた、ウェルビーイングつうのを求めていくとだ

「身体」と「心」と「社会的なつながり」の3つがポイントになる。

なるほど、つまりだ

「健康」と「安心」と「コミュニティー」が充実す…る…

あれれっ、日之出屋が提供させてもらってるもんばっかりやん。

なるほど、うちの愛すべきおかあさん方々が

なんとなく心が満たされてるなぁ…とか思てたけど、道理で。

いや、まあ、冗談はさておき…

お店ってのは、ただ食材を購入するだけのスペースではなく、

「コミュニティー」として、間違いなく存在意義があるように思う。

思う存分、ぺちゃくちゃと雑談とか花を咲かせていただきたい。

とにかくだ、「良い人間関係」って「幸せ」には絶対である。

さて、ま、人間関係よりも人間と猫の関係の方が気になる今日この頃。

姫(猫の名前)よ、私との関係性は、どないよ?

もうすでに、君がいない毎日なんて考えられへんぐらい…。

私の幸せのためにも、長生きしてほしい…祈るばかりだ。

2024/02/19

歌。

2月がスタートして、やっと落ち着いた感じである。

何がって、ええ、新年会だ。

1月の間は、「何回、祝うねん…」などと妻もあきれ顔。

ま、お酒は嫌いな方じゃないし、

いろいろとご縁をいただけるわけだから

有難いぐらいに思ってるんだけど、

そう、♪はしごはしごで明日を忘れ~の昭和の飲み方は

もうね、代謝が悪くなってるせいか、残ったりしてきつい。

あと、躊躇するのが「歌、いきましょう!」ってやつ。

ま、カラオケは歌うのが嫌いなわけじゃないし

雰囲気も盛り上がって楽しいからいいんだけど、

順番がくると、下手くそだから、心臓がギューってなる。

そう、音痴だ。

別に気にせず歌えばええやん!なんだけど…

数々のトラウマがフラッシュバックするのだ。

それは、中学校の合唱コンクールにさかのぼる。

音楽の授業でコンクールのパートを決めるからと、

先生がピアノの鍵盤をたたき、ひとりずつ

何を言わされたか忘れたが、ま、「ドー」とかいって

「君はソプラノ」「あなたはアルト」とか振り分けられる。

順調に決まっていくなか、いよいよ私の番がきた。

私の「ドー」に対して、先生はどこか一点を見つめたまま

それは聴力検査をしてる時の顔といったらいいのか、もしくは

歯に挟まったネギがなかなか取れない時みたいに黙り込んでる。

「も、もう一回、いいかな?」

私より前の人でこんなケースがなかったのに、お、俺だけ?

「ドー」

「うーん…」と。

えっ、そんなにネギがひっかかってんの?

いや、違う!口にはせずとも、その曇った顔を見ればわかる。

あっ、なるほど、もしかして音痴?

この時、90%ぐらいの自覚が芽生えた。

そして、高校1年生の時、確信に変わる。

寮生活で夕礼時に寮歌たるものを歌わされるのだが、

寮では3年生は神様で1年生は奴隷みたいな扱いだから

アホみたいにデカい声で歌わなきゃいけない。

で、夕礼終わりに友人が半笑いでこう言う。

「栄太郎につられて、わけわからんようになるわ」と。

あっ、ごめん、やっぱり…である。

そこからの音痴人生…こうも長くなると

何か歌った後に言われる言葉は簡単に想像できるようになった。

「声がええわ」と。

声?いや、歌わい…。

ま、ここまでヘタだとね、これは、社長であり、親でもある私へ

神様が与えてくれたプレゼントだと思うようにしている。

「なんでや?なんで何回言うても、でけへんのや!」

なんていうセリフが、子に対して頭をよぎったとしても…

「いや、おまえもやん!歌、歌」って抑止される。

人によって得手不得手ってあるもんな…。

うーん、ほんま、歌はうまならん…。

2024/02/05

顔。

道でばったり会ったお客様が声をかける。

「どないしたん、にいちゃん?えらい難しい顔して」と。

なんでも眉間にしわを寄せた顔なのだという。

ま、そりゃね、この荒波の中で経営させていただいてたら

その辺の道端やと難しい顔にもなるわいなって話だが、

そんなつもりはさらさらない。

いつもニコニコを、なんとか心掛けてるつもりだし、

道に迷ってて誰に聞こうか

キョロキョロしてる人がいたとしたら

迷わず私へ歩み寄ってくるやろな顔をしてるつもりだ。

ほんと、道を尋ねやすい顔。

ただ、私はそのつもりでも、他人からしたら

何を怒ってるんや…って見えたのだろう。

「男の顔は履歴書、女の顔は領収書」なんてね

ま、名言からすると、男は生き様が顔を作っていくわけだから

もひとつええ生き様ではないんちゃうか…と悩ます。

うーん、作り上げるのに、ええサンプルないか?思っ…たけ…

あー、おった!おった!ええのがおったわ!である。

いやね、我が家に新しい家族が増えたのだ。

息子3人に私っていうだいぶ男くさい我が家にね

どえらい女神が舞い降りた。

っつうのも、以前に綴らせていただいたのだが、

猫を飼いたい…って妻に相談すると

めっちゃ前向きに考えてくれてたみたいで

勝手にいろいろと探ってたところ

あるペットショップで彼女と目があったという。

で、一言、「ウニャ?」と。

そんなもんね、躊躇もなかったのだとか。

「アカン…もう、無理やわ」って連れてきたのだ。

カバンから顔を出してきた猫と「ニャ?」って初対面。

「ほんまや…そら、無理や」である。

か、かわい…。

他にどんな表現したらええか考えてるけど、あらへん。

か、かわい…。

ええおっさんがね、そんな言葉使ったら気持ち悪いか知らんけど、

んなもん、関係あるかい!だ。

か、かわい…。

アメショーやん…とか猫を知った人がそう言うけど、

いや、うちの姫を浜田省吾みたいに言うな!である。

アカン、なんせ、言葉がない。

か、かわいいなぁ…。

しかし、誰に教えてもらったら、その顔できんねん?

もうね、べっぴん過ぎて食べたろかってアホみたいに近寄せれば

「近い、近い、アホか!止めたりや、嫌がってるやろ!」と妻。

ほうぅ、嫉妬やな…である。

せやけど、姫の顔は誰もを笑顔にする顔やで。

姫よ、どないしたらその顔になんねん?教えてな…。

2024/01/23

幸せ。

私は、よっぽどのことがない限り医者へ行かない。

ま、そもそも風邪なんて引いたことないんちゃうか…ぐらい

ご先祖さんと神さんが頑丈に創ってくれたみたいで有難い。

だから、ほんまに医者が必要な人のためにも

私は行ったらアカン!と、たいがいのことは我慢する。

しかも、金額の7割は誰かの税金なので

行かないことだけで国家社会へ貢献できるんだし…。

とはいえ、ほんまにヤバい…って場合は、さすがに行く。

過去には、そりゃね、何度かお世話になっている。

ただ、自分ルールを破るわけだから、お医者さんの言動が気になる。

口を大きく開けて、先生が喉を見た瞬間に

「うわっ…えらいことなってるやん。我慢しすぎや」とか

尿をとって、その数値を先生が確認した瞬間に

「あーあーあー、ぐっちゃぐちゃやんか。はよおいでや」とか

あきれた顔で話し出したら、「おっしゃ、ようやった!」である。

もうね、熱出て、しんどいんはしんどいんやけど、

小さく握りこぶしを作り、自分で自分を褒めてあげる。

こんなことを言うと…

いや、はよ行ってはよ治しや!な話は、ま、ちょっと置いといて

日本の医療体制ってのは、世界へ誇れるんちゃう…である。

救急車も出動するのにほんまは4万円ほどするらしいのに…ねっ。

なのに、GDPが世界4位でどうのこうの…日本はアカンみたいな…

そんなニュースを耳にすると、そない悲観的にならなアカンか…と。

そうかな?めっちゃええで、日本と…。

いやね、成長せんでええ!とか言いたいわけでなく、

国々でね、それぞれ長所があれば短所もあるんやから、

そないGDP!GDP!とまくしたてんでも…と思うわけ。

確かに、成長できてないのは問題っちゃあ問題なんだから

私も社長の端くれとしてだ、頑張らんとアカン。

せやけど、頑張っても幸せじゃなかったら全く意味がない。

うーん…この幸せのランキングみたいなやつでは

日本って世界で47位とか そんなんらしい…。

あれっ、全然、幸せとちゃうやん!である。

っていうか、何をもって「幸せ」というのだろうか?

腹減ったらコンビニとかですぐに解消できるし、

スマホなんかでいつでもどこでも誰かとつながれるし、

これだけ便利で豊かな環境になったにも関わらず

何が幸せなのかすら、わからんようになってるんかな…

なんてことを考えてた休日の昼下がりのことだ。

妻が実家に帰ってて、家には三男坊と私の2人だけ。

昼飯、喰わさな…と湊駅近くの「ながおか」へ行く。

同級生のお兄ちゃんに「天丼とざるのセット」を注文。

隅っこのテレビには女子マラソンが流れている。

興味があるわけもなく、誰かを応援するわけもなく、

ただただ隣のおっさんとボケーっと眺めている。

その間、まったくの「無」だ「無」、無の境地。

出来上がった瞬間、無言でざざざっと平らげる。

「ご馳走様。おおきに」って店を出ると、日差しが眩しい。

えーっと、なんやろう、めちゃめちゃ幸せやん!である。

何でもないようなこんな日常に幸せがあったわ…の話である。

久しぶりの「ながおか」…うまかったぁ。

2024/01/15

日常。

ほんまにちょっと前、年末のご挨拶を…とかいって

いろんな人へ「良いお年を!」なんてペコペコしてたのが、

舌の根の乾かぬ内に、今度は「明けまして…」に変わって

新年のご挨拶をペコペコさせてもらっている。

1月1日の区切り感?切り替えの早さ?っていうの…凄いなぁだ。

でもって、明日は1月10日。

ちょっと前に初詣で「あざーっす!」言うたとこやのに

今度は、急に「商売繁盛で笹持ってこい!」と一日中言うてる。

神さんも、たいがい忙しいなぁ…である。

ただ、私は、えべっさんには行かない派。

なんかね、セコない?って思われそうで、神さんに。

いや、神社自身も商売繁盛だから、めっちゃ盛り上がればいいと思うし

うちのオカンは私よりも商魂たくましく、

「えべっさんや!はよ行かな無くなるわ…」と朝からうるさい。

で、まあ、普段から神さんに参っている人が言うのはいい。

せやけど、普段いっこも神社へ行かへんくせに

「商売繁盛や!」って、ここぞとばかりに参るのは、なんか…なのだ。

神さんもビックリして「えっ、おまえ、誰や?」ってなるだろう。

そうなんです!

年末や年始だけの挨拶はアカンやろうし、

10日だけ神さんとこ行って手を合わせてもアカン。

何が大事って、普段である、普段。

普段からしっかり挨拶はするもんやし、

普段から神さんに頭を下げて感謝するのが…ねっ、とか思う。

年末にウメビーフの社長と話したことを思い出す。

「いろいろお世話になりました。また、来年も…」

「こちらこそ!んっ、あれっ、明日って、1月1日は休みなん?」

「んなアホな、なんでですの!明日もエサやりますよ」

「せ、せやな、休んだら、牛が怒ってくるわな…エライなぁ」

農家さんとかも含め、生き物を相手に商売してる人はほんまに大変…。

毎日、コツコツコツコツコツ…

一生懸命に向き合わないと、ちゃんと育ってくれない。

うーん、商売繁盛に限らず、成功のコツは2つ。

「コツとコツ」のコツコツである。

その時だけってのではなく、普段からコツコツと…。

あっ、年始の飛行機の事故だってそうだ!

普段から訓練をコツコツ積み重ねた結果、

最悪の事態とかならずに済んだのだろう。

何でもないような日常がいかに大切なのかである。

っていうことで、今年も愛すべきお客様と向き合い、

明日も、次の日も、一日一日コツコツと頑張ってまいります。

変わらぬご愛顧を賜りますよう

どうぞよろしくお願い申し上げます。

※最後になりますが、1月1日に発生した地震によりお亡くなりになられた方々に

深く哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

微力で限られたものでしかありませんが、できる限り支援させていただき、

一日でも早く日常を取り戻せることを祈念申し上げます。

2024/01/09

誰か。

2023年がもうすぐ終わる。

どんな1年だったかな…って振り返る。

年の瀬に息子の髪の毛が言葉で説明できない色に変わる

なんていう暴挙によって、すべて持ってかれたんだけど、

仕事上の話でいえば、そう、値上げが凄まじかった。

どれぐらいかっつうと、「おはよう」とか「こんにちは」とか

挨拶してるはずが、もうね、「なんぼ?」って聞こえるぐらい。

で、まあ、この商品やサービスの値段ってのには

〇〇円になるまでに、いろんな背景が隠されている。

原料はもちろんなんだけど、容器代とか物流費とか開発費、

ブランド・広告…などなど、目に見えないのが山ほど交錯する。

また、お客様にも事情とか背景、世の中の背景…

もうね、いろんなこと考えるわけだから

そりゃあ、「なんぼ?」「なんぼ?」言うわいな…だ。

お買物されるお客様は、いちいちそんな背景を考える必要はない。

そう、値決めをする我々は気をつけなアカンわって思う。

仕入れが値下げになると、値段が下がる。

この理屈はわかる。

ただ、値上げになると、理屈では「値上げ」なのにも関わらず

すぐ「もうちょっとまからんか?」って論理が破綻しがち…。

その商品だけを見て背景をすっ飛ばすから、そうなっちゃうのだ。

誰かがめちゃくちゃ考えて、誰かが機械とか作って開発して

誰かが必死のパッチでコストカットして

誰かが伝票きって誰かが運んでくれて…とかイメージせな…。

あっ、そういえば、先日、赤十字さんから

「寄付ありがとうございました」と感謝状が届いた。

んっ、俺?である。

いや、これはお客様からお預かりした募金のやつだろう。

なんつうの、贈り主不明の贈与で誰かが救われているわけだ。

うーん、仕事に限らず、何でも

「誰か」のおかげで世の中は回っとんなぁ…なんて思うと

この年の瀬になんか清々しい気持ちになり、

新年もまた感謝の気持ちで迎えることができそう…

っていうか、日之出屋が回っているのは「誰か」ではなく、

特定できるから有難てぇぇ!!!

愛すべきお客さま皆々様

今年も、いろいろと助けていただいた一年だったように思います。

「ほんま、高なったなぁ」とかね、口にはするものの

年末にまで足を運んでいただき、誠にありがとうございます。

お取引様においても、値上げの中、なんとか…なんとか…

と、落としどころを見つけながら交渉につきあっていただき、

また協力してくれて、誠にありがとうございます。

最後にスタッフの皆さま

クリスマスや年末なども出勤で「働き方改革わい!」なんて

心では思っていてもだ、口にはせず、頑張っていただき、

誠にありがとうございます。

今があるのは、「誰か」のおかげはもちろんだけど、

ホントたくさんの方々に支えられていると感謝申し上げます。

来年もまた皆様にとって良い年でありますよう祈念申し上げるとともに

変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願いいたします。

それでは、良いお年を!

2023/12/30

本当は…。

「あれやで、ほんまは25日がクリスマスやから…」

いや、もう、このやりとり何万回してきたんやろう

24日はイブで、本当はな…って会話が聞こえてくる。

あれだ、みんなが「さっちゃん!さっちゃん!」って呼ぶんだけど

名前は「さちこ」って言うんだ、本当はね…といっしょだ。

で、まあ、昔々、若い頃っつうと、クリスマスといえば

なんとなく、恋人がおらんと話にならん的な風潮があった。

とにかく彼女を!って、わざわざ合コンなんかもよくした。

合コンの入り口は、なんか嫌な奴を演出して、最終的には

「本当はええ人」であがる大作戦を慣行していた。

最初っからええ人は損や、加点方式を採用せんと…って懐かしい。

また、クリスマスソングでは「恋人はサンタクロース」ってのも。

♪恋人はサンタクロース 本当はサンタク…ロ…んっ、ほ、本当は…?

うーん、何が「本当は…」なのだろう?

だいたい、サンタクロースのイメージカラーの赤は

コカ・コーラさんが作り出したって話だし。

っていうか、今と昔では「クリスマス」の捉え方が全然違うっぽい。

恋人の話なんて「はぁ?」ってレベルだろうし、

ケーキだって、私が小さい頃は誕生日とクリスマスの年2回に比べ、

令和の時代は「スイーツ」って名に変わり、いつでもどこでも…。

うーん、クリスマスの真実って?

…なんてことをだ、サンタクロースの恰好をして

頭を悩ましているのは私ぐらいなもんだろうと思ってたら違った。

橋の上にいた。

まだ名前もない南蛮人。

サンタクロースの恰好をしてえらい遠いところを見てはる。

名前はもうすぐ決まるみたいだから嬉しいはずなんだけど、

どこか切ない感じで佇んでいる。

色だ、色、間違いない、ネズミ色だからそう見えるのだろう。

ちょっと話かけてみることに。

「お疲れさん。どないよ?サンタさん」

「オツカレサマデス。チョットネ…」

「えらい遠いとこ見て…で、どこ見てんのな?」

「ミライデス。セカイノミライヲミテルンデス」

「あー、クリスマスでも戦争とかあるし…アカンわな…」

「チョットデモヨクナレバ…ト ココデイノッテマス」

「へえぇ…堺やなくてもええのに、なんで、堺なん?」

「セカイノ4ツマエニアルカラ。マズハサカイカラデス」

「さかい、しかい、すかい、せかい…ほんまや!」

いや、市長でも狙ろてんのか!である。

ただ、祈るだけでは何も変わらないし、

未来を悲観的に考えたところでどうにもならない。

何か行動を起こさなければ!

サンタクロースの恰好をして、たったひとりでも笑顔になれば

それは立派な行動なのではないだろうか。

なるほど、メリークリスマス!である。

うーん、ま、でも、なんつうの、ブログのためにとはいえ、

こんな格好して写真を撮るのは死ぬほど恥ずかしかった、本当は…。

ユーチューバーとか凄いな…ようせんわ…。

2023/12/25

キャッチボール。

ここ数年はコロナの影響で何にもできずに

おとなしくしれーっと年越し…って感じだったが、

今年は、忘年会とかね、比較的に多いような気がする。

会議なんかも、バタバタっと詰め込まれちゃって

とにかく、人と話をする機会がめちゃくちゃ増えた。

で、思った。

オンライン会議に慣れすぎちゃって

キャッチボールが下手くそになったんちゃうか…である。

いやね、なんとなくだけど、

オンライン会議って、結構、一方的に話すことが多いっつうか

キャッチボールじゃなくって、投げっぱなしみたいな。

言いたいこと伝えたいことをザーッと話して

「何かご意見ありますか?」

「・・・」みたいな。

そりゃね、目線があっちゃこっちゃ向いてたりするし、

「えっ、誰に投げたん?」みたいなボールが多いし、

大谷みたいなスライダー投げられてもキャッチでけへんし、

こんなやりとりを長いこと繰り返してきたわけだから

投げる方も受ける方も下手くそなるわ…と思うわけ。

先日、それを痛感する。

新しい挑戦を…と仕事の話をするのに岡山まで行ってきた。

ひとりぼっちの車は寂し過ぎるので、妻をいっしょに積み込む。

息子達はもちろんいなくって、妻とふたりっきりの車内。

「近っ!ち、ちょっと近ない?」って、妻は後部座席に移る。

なるほど、新鮮だ。

こんな狭い空間に妻とふたり…何年振りやねん!である。

誰にも邪魔されない会話のキャッチボールがはじまる。

「オカンの実家が明石やん、よう来たわ」

「相生若竹会っていう道場あってやぁ。強かったわ、剣道」

「あっ、赤穂や…んっ、赤穂って兵庫やったっけ?」

もうね、どんだけ兵庫のボール投げんねん…である。

ミラー越しに後ろを見なくてもわかる。

あまりの兵庫ボールの多さに嫌気がさし、お菓子食べながら

足組んでよそ見して適当にキャッチしている妻の顔が…。

ってか、なんでもええけどやぁ

兵庫、長ない?

姫路あたりから「あれっ?」やったけど、思てる3倍長かった。

とかいってる間に目的地へ昼過ぎに到着。

たかだか数時間のために岡山まで…と時代ではないかもしれないが、

いやー、わざわざ行って良かった!

ワクワクするような未来の話ができ、有意義な時間だった。

プレゼンの説明や事務的な話であれば、オンラインもいいけど、

やっぱり会って話をしないと、伝わらへんで!である。

そして、妻とふたりっきりのキャッチボール…意外に良かった。

暴投してボールを探すかのように「無」みたいな時間があるものの

もうちょっと練習して、スムーズなキャッチボールを…と心に誓う。

うーん、いろんな意味で大きな収穫である。

あと、山陰自動車道を走る車が「ロケットか!」ってスピードと

兵庫の長さを完全に舐めてたってのには注意したい。

2023/12/18

猫。

営業などで「DX化は進んでいますか?」的な話が多い。

人口が減っていくなか、働き方改革や人手不足を解消するためにも

「いらん、いらん!うちはアナログでええねん!」

なんてね、時代に逆らうようなことを言ってても仕方がなく、

うーん、ほんまに考えていかなアカンわ…である。

で、まあ、しかし、DXのXわい!って腑に落ちないまま

英語まみれやな…なんて頭を悩ましながら家に帰る。

すると、玄関まで息子の笑い声が聞こえてくる。

「んっ、誰か友達でも来てんのか?」

ドアを開けると、テレビゲームしながらめっちゃしゃべっている息子。

よくわからないが、通信ゲームでつながってるらしく

それぞれの家に居ながら、友達みなで遊べるというのだ。

「誰としゃべってんや思うやろ!」

向こう側に聞こえるように大きな声で言うと

「あっ、オトンや、オトン。帰ってきてん」と。

おかえりわい!である。

キッチンでは妻が何やらしゃべっている。

「アレクサ!どうのこうの…」と。

キッチンタイマーからはじまり、音楽とかメモ代わりにとか。

しかも、小声で話しかければ小声で返ってくるという。

なんちゅう機能や、どんだけ賢いねん…である。

そこへ長男がやってきた。

話しかけると、「えっ、なんて?」とイヤホンをとる。

「おまえ、家でイヤホンすな!あっ、それ、買うたやつや」

「めっちゃええで、これ」

そう言い残し、部屋を出ていく。

何がやねん!である。

妻が食事を用意する間、私はテーブルにつき、

おもむろにスマホを見る。

すると、以前に見たからであろう…

「おまえ、こんなん好きやろ」と言わんばかりに

猫の動画とか食虫植物が虫を食べる動画が畳み掛けてくる。

うーん、AIがそう判断したんやから

実際に見てたからなんやろうけど、

俺、見たかな?なんて思いながら、ま、見ている。

それぞれが何かしらに夢中だ。

えーっと…

便利な世の中でええねんけど…

ほんまに ええんか、これで!だ。

これが幸せな家族の画か!だ。

思い描いていた画とはだいぶちゃうような気がしないでもない。

で、また、そこにChatGPTってやつが加わるんやろ…

家族でしゃべることなくなってまうんちゃうか…である。

このままではいかん!

そう思った私は猫を飼うことを決めた。

これだけ便利で合理的な空間には

あの何の役にも立たない猫が、我が家には必要と感じる。

会社も家もこのIT化が進む時代の流れには抗えない。

だからこそ、あの何もしないただただかわいらしいだけの猫が…。

妻よ、どうだ?

2023/12/11

別名。

「お父さん、干支って言える?」

仕事から帰るなり、リビングで勉強している風の

息子からこんな質問が飛んできた。

「子丑寅卯辰巳午未…なんで?それがどないしたん」

「うわっ、知ってるやん!じゃあ、10月の別名は?」

「10月?えーっと、あれやん、あれ、神無月」

答えると同時に「えっ」って顔で目を丸くする息子。

「会議かなんか知らんけど、神さんが出雲へ集まるから…」

「いらん、いらん、そんな説明、いらん。いや、ずっとアホや思てたけど、

なんや、かしこいやん!おもろなっ、アホのお父さん、カムバッーク!」

待て待て待て待てちょっと待って…まず、ほたえんな!

で、誰がアホのお父さんや!俺のことなんや思てんねん!

そんなん知ってるぐらいでかいこいもないけど、アホって…である。

まあ、息子ら3人とも勉強などを教えてきたのは、すべて妻だ。

なので、妻がかしこくて私はよう教えんとでも思っていたのだろう。

うーん…、今まで彼らとどのように接してきたかを振り返ってみる。

あっ、そうか、思い出した!ヤバい…アホの要素がたっぷりある…

いやね、息子達が小さい時、私がオナラをする前にしていたことだ。

「痛っ!イタタタ…指が痛いから、ちょっと引っ張ってくれへん?」

急にそんなことを言えば、彼らは心配そうに私の指を引っ張ってくれる。

そのタイミングでオナラをすれば、ビックリするし、ケタケタ笑いよる。

「もうぅ、強く引っ張るから~」なんていう遊びをよくしていた。

アホのお父さんである。

で、ある期間、日之出屋で顔見知りのママ友さんと出会う度に

なんか苦笑いされるっていうか、違和感のある挨拶が続いた。

妻に「店でおまえの友達に会うねんけど、なんか変やねん…」って聞けば

「あの子が幼稚園で言いふらしてんで。だから、あんたは 別名…

“指をひっぱったらオナラが出るお父さん“。アホなことしぃなって…」と。

待て待て待て待てちょっと待って…指きっかけとちゃう、オナラきっかけや。

指がトリガーになってオナラが出るとか…どんなメカニズムやねん!

「おいっ、間違えてるぞ!オナラが出る時に指を引っ張らせるに訂正して」

「アホか、嫌やわ!」

うーん…なかなか恥ずい思い出である。

その記憶が大きく残ってるなら、そら、アホや思うわな…。

汚名返上のためにも、彼らとの接し方を考え直さなければならない。

そういえば、この別名ってやつで、私よりも格段にひどいのが魚にいる。

カワハギだ。

別名 ハゲである、ハゲ。

丸いのが「丸ハゲ」で、長いやつにいたっては「ウマヅラハゲ」とか

いや…やり過ぎやろ、完璧にただの悪口やないかい!である。

ただ、そんなハゲも今の時期、めちゃめちゃ旨くなる。

身離れが良く、ハゲの煮つけなんて、そりゃあもう、大好物。

せっかくなので、妻に炊いてもらおうと思い、

家で息子たちと「カワハギはハゲ言うねん」話をする。

「ハハハ…、かわいそっ、お父さんといっしょやん」と息子たち。

待て待て待て待てちょっと待って…ま、まだや!マダハゲや!!

ま、とにかく、ええハゲを仕入れてお待ちしています。

さて、今の時代、あだ名なんて禁止の学校が多いのでは…だ。

なので、間接的にカワハギの別名もNGなのでは…とかも考えたり。

いやー、言いたいことも言えない…ねぇ、ブログだって言葉を選ぶし。

息苦しい世の中が加速しないことを祈るばかりである。

2023/12/04

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