なにわ女の心意気。
コロナでおとなしくしていた愛すべきおかあさん方が、
石をどかした時の虫の動きみたいな表現で申し訳ないが、
ガサガサっとね、動きが活発になってきたように感じる。
そう、本来の感覚を取り戻しつつあるのだ。
長い間、人と接することはタブーみたいな、そんな感じで
律儀にマスクも忘れず、殻に閉じこもっていたのだが、
さすがにもう限界や!と言わんばかりにグイグイ話しかけてくる。
いやね、ま、たまたまなんだけど、先日、久しぶりに
連発の「にいちゃん!」ラッシュが凄まじかったので
今こうしてブログを綴らせていただいているわけだ。
「にいちゃん、ごめん、ごめん、堪忍やで!おおきにな、ありがとう…」
家に帰ってから店で忘れ物をしたことに気づいたものの
取りに行かな…せやけど、足が悪いから…どないしよ?という電話があり、
どないしよ?って…ほ、ほな、持っていくわ!と届けに向かい
玄関のドアを開けた瞬間、矢継ぎ早に謝罪と感謝の言葉がマシンガンのごとく…。
「かまへんよ。ほな、気ぃつけてや」って帰ろうとするのを
「にいちゃん!ちょっと、待ちぃな!ほれ、ええもん、やろさ」と遮る。
ええもんって、どうせ、アレやろ、飴ちゃうん…って、ほらっ飴やん!である。
「中に落花生入ってて旨いでぇ。こんなん、今まで知らんかったわ」
嘘やろ、だいぶ昔からやで…よう出会わんと今まですり抜けてきたなぁである。
で、家の前で飴の話をしていると、隣の家のドアが開く。
「やっぱり、にいちゃんかいな!にいちゃんの声するなぁ思たんや…
なんや頑張ってるんやってな。せや、あんた、ええもん、あげるわ」と、また。
ええもんって、また、飴…ってか、ほ、ほんまに ええもんやん!である。
「アカン、アカン、アカン!って。孫さんにあげよう思てたんちゃうん?」
「ええがな。あんた、孫みたいなもんやんか。食べ、食べ」と。
孫って…48やで…である。
しかし、どんだけ「愛すべき」やねん…。
店に帰れば、また別のおかあさんが駆け寄ってくる。
「にいちゃん!ちょうどええわ、これ、おかあちゃんに渡しといて」と。
んっ…なんや、これ?何を入れるんか知らんけど、便利な小粋な小袋…
えっ、ブランドもん?SHI…GE…KOって オカンの名前かい!である。
こんなん作るのが趣味やいうたとて…オカンのために…わざわざ…
愛すべきおかあさん方々、ほんまにありがとうございます!である。
コロナで人と接しないから、自分のために自分で…ばかりの行動で、
結果、「ひとり焼肉」とか「ひとりキャンプ」とか“自分”が多くなったのかな?
うーん、たまにはええけど、やっぱ、人ってのは“ひとり”じゃあ…ねぇ…
どこで手に入れるんだかまったく見当もつかない虎とかの服着て
気軽に声かけるおかあさん方を見習い、どんどん人と関わらな…である。
妻よ、おまえのカバンにも飴とかぎょうさん忍ばせとけよ。
貰いっぱなしも嫌やし、誰かに受けた恩を送らなアカンからな。
飴ちゃんって名の「なにわ女の心意気」は、ちゃんと受け継ぐように。
2022/11/29
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