7人の敵。
「男は敷居をまたげば7人の敵がいる」
社会人になって間もない頃、親父にそんなことを言われ、
ただ先輩方と飲みにいくだけなのに
「おいっ!最低でも7万は持っていけよ!」といくらか手渡された。
えっ、7人も?である。
ちょっと怖いやん、気持ち多いし…
っていうか、1人1万円でどない戦うん?である。
で、そんな大金を握り締め、呑みにいくことなんてなかったので
行き交うすべての人々が私の7万を狙ってるかのように思え、
「7人どころやあれへんで…」と酔うに酔えなかった記憶がある。
まあ、それぐらいの敵は男にはおる!って例えなんだけど、
先日、なんていうか、敵とかじゃないんだけど、そんなことを思い出した。
それは、そこそこ高級なお店でご飯を食べる機会があって
気持ち緊張しながら舌鼓を打ちに打ちまくってる最中のことだ。
隣の席から「ピピピ…」と携帯電話が鳴る音が聞こえてくる。
なんとなしに聞こえてくる会話から、たぶん…
超一流会社のお偉いさんであろう方が
我々に気を使ってか口を押さえながら電話に出たのだ。
「YES…、YES…、REALLY?…NANTYARA KANTYARA…」と。
えっ?イングリッシュ?ここ日本やねんけど?である。
めっちゃ格好ええ~!何千万円ってお金が動いたんちゃうん?である。
世界を股に掛ける企業は、やっぱりちゃうな~…なんて思ったとき、
私の携帯電話が鳴り出したので、同じように出た。
「お~、まいどっす!んっ?いや、えっと…きゅうり…?20円…」
いやね、金額の大小なんて関係ないんだけど、声が小さくなっちゃって…
まあ、これはこれで大事なことなんだけど、
なんちゅうのかな、堺を股に掛ける私としては
負けん気が出てきてまうって話だ。
「すんませ~ん、この8千円のワインください!」と注文。
そのとき、ハッと思い出したのだ。
親父よ、ほんまや!である。
1人1万円ほどいるわ!である。
2011/11/15
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