みんな。
7月7日。
それは、小さな紙に「夢」を書く日。
ドラゴンボールを集めてもいないのに
「何にしようかな?」と大きく夢が膨らむ日だ。
うちでも部屋の隅っこにひっそりと笹が飾られていた。
目をやると、願いがつづられた短冊が揺れていて
仕事帰りの疲れた身体を不思議と癒してくれる。
「おー、七夕かー。あいつ、何てお願い事を書いたんや?」
遅くなった夕飯の段取りをする妻が手を止めて言う。
「あんた、びっくりしいなや!感動すんで!」と、ニヤニヤする妻。
この妻のどうしようもないヘラヘラした顔からすると、
相当おもしろいことが書かれているに違いない。
どれどれ…?
「みんな…か?…い?…アカン!読まれへん。なんて書いてんや?」
「みんなが元気でありますように!って書いてんやで」
「ハハハ…。みんなって…。おまえが書かせたんやろ?」
「なんでやねん!なんも言うてへんわ!」
ほぉぉ…である。
どない考えたら「みんな」が出てくんねん!である。
このセリフは、初詣に家族全員で行った場合、
10人ぐらいの孫やひ孫に囲まれたおばあちゃんだけが口にすることだ。
てっきり「ウルトラマンになれますように!」ぐらいのものと思っていたが、
私利私欲を捨てて、あえての「みんな」。
平成のマザーテレサが我が家にいた。
「くー!泣かせるやないか!で、みんなって俺も入ってるやんな?」
「ちゃうちゃう。入ってへん。幼稚園のみんなのことや!」
息子よ、俺のこととちゃうみたいやけど、えらい元気になりました。
君に見習って私も短冊に書かせてもらいます。
「愛すべきおかあさんみんなが幸せになれますように!」って。
2009/07/06
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