お医者さん。
妻が息子達を連れ、三日ほど帰省した。
久しぶりにそれなりの音量で映画鑑賞を楽しもうと
いろいろ選んでいる中、「ブラックサイト」という映画が目についた。
苦しめられる人間の鍵を握るのは、66億人のアクセス…っちゅうやつ。
お?、今っぽいサスペンスやな?!であった。
で、翌朝、目が覚めて携帯電話を見ると
「えっ、なんでや?今さら迷惑メールが…」である。
今の今まで迷惑メールとはまったく縁がなかったので
なんや気持ちが悪いったらありゃしない、である。
「昨日の映画といい、迷惑メールといい、ネット社会は怖いわ!」
とかゲンナリしているところへ妻と息子達が帰ってきた。
一息入れると妻から「どっか痛いとか言うたって!」と耳打ちされる。
なにやらお医者さんごっこセットを購入したらしい。
「えっ?お医者さんごっこって、なんか…」
「まだ健全や!大丈夫や!」
私の思考が見透かされたかのように「みなまで言うな!」と釘をさす妻。
「先生!ちょっと腰が痛いんですけど…」一応のっかる私。
腰がどの辺なんかもイマイチわかっていない息子は
おもちゃの聴診器を胸にあてながら
「え?、大丈夫です。元気です!」と100万ドルの笑顔。
技術の進歩が悪事に使われるのは…などと嫌な感じでいたのだが、
彼との超アナログ的な遊びによって癒される。
”しかし、おまえが大きなったら、病院とかもえらい変わってるやろな?”
とか考える間も与えず、「はい、注射しますね」とごっこを続行する息子。
「えっ、今、元気!って言いはりましたよね」不安がる患者を演じる私。
「大丈夫!痛くないですよ?」すっかりお医者さんの息子。
こんなん言うてるけど、いずれネットやらゲームやら…、である。
アナログな遊びもいつまで続けてくれるのやら…。
最後は、お決まりの「お大事に?」をぬかしてけつかる。
息子よ、あんたに言われたないわ!である。
2008-11-27