名もなき花。
前回のブログで登場した「かねちかの桃」だが、
この抜群のタイミングでテレビの番組で取り上げられたらしい。
「にいちゃん!あんたとこで売り始めた桃な?、テレビに出てたで?。
あの大阪の大臣がおいしそうに食べとったわ?」と愛すべきおかあさん。
大臣?あ?、知事ね、である。
梅ビーフといい…、桃といい…、橋下知事!おおきに!だ。
そんな桃の話で盛り上がった一日が終わろうとした閉店間際、
1本の電話が「助けてくれ?!」と言わんばかりに鳴った。
本日の私の「愛すべきおかあさん(お客さま)」からだ。
「○○やけど、こんなに遅くにごめんやで。ハンバーグの忘れ物なかった?
今から食べよう思たら、あらへんねん!」と、今にも泣き出しそうな声。
「ありましたよ。遠いし、もう暗いから持って行きますわ!」
住所を教えていただき、お腹をすかせた愛すべきおかあさんのもとへ。
家の前に到着し、呼び鈴を探していると
真っ暗闇のなか、なにやら庭でゴソゴソと動く人影が…。
目を凝らしてみると、腰をかがめた愛すべきおかあさん。
「まいど?!ですけど…、どないしましたん?」
「あっ、にいちゃんか!ごめんやで?。アホやろ?。情けないわ!
堪忍したってや。これ、持って帰って!」と、手渡されたのがこれ。
暗闇のなか、ゴソゴソと懸命につくってくださったお詫びの印。
なんというか、金銭よりも遥かに尊いものをいただいた。
最近、よく耳にする「偽装問題」や「使いまわし問題」。
この「自分さえよければ…」と考えている人間に是非とも見せてやりたい
”人を思いやる心”が詰まった花束である。
まさに、そう、「堺にひとつだけの花」。
ただ単に「買い手」と「売り手」という関係とちゃうな!と確信した。
”愛すべき”所以である。
ハンバーグを美味しくいただけましたでしょうか?
お買上、ありがとうございました。
そして、素敵なお花までいただいてありがとうございました。
2008-06-26