3。
五穀豊穣を祈願するお祭りが日本各地で開催される。
秋である。
我らが地元・堺では「ふとん太鼓」。
「よ?いやせぇ?!」とみこしをかいで足並み揃えて練り歩く。
大きな声で…、汗まみれに…、祭りは良いストレス解消法だ。
若い声だけでなく、あの「おっちゃん」らしい大きな声が祭りを締める。
特にええ声ではないが、祭りにぴったりの男の声だ。
私も剣道を長いことしていたので声は大きいのだが、
ええ声ではないことが中学のときにある事件で知った。
中学1年生の初めての国語の時間。
先生が名前を覚えるためなのか、
出席番号の順で声を出して本読みをすることに。
2番目の伊藤君が読み終えたあと、先生が
「伊藤君はいい声をしているね。じゃあ、次は岩橋君」と。
おっと!初日からえらいえこひいき的な発言である。
一番目(名前を忘れた)には悪いが、
私も「いい声だね」賞をいただこうと自分のもてる力を最大限に発揮し、
意識しまくって「いい声」で読み上げたつもりでいた。
「じゃあ、次は上野君」
なんもなしである。
これが世に言う3番目の悲劇だ。
3代目というのもそうだ。
うまくいけば「ご先祖様のおかげ」、
失敗すれば「やっぱり3代目か」と、世間の目が言う。
その3代目が私である。
つらい立場だ…。
とにかく、誰の功績であるとか関係なく、
来店されるかるがもおかあさん方に満足していただけるよう
ええ声ではないが、大きな声で接客させていただきます。
もうすぐ、彼岸。
もちろん、ご先祖様も大切に…。
2007-09-17