栗ごはん。

秋の味覚たちがええ感じに売り場を占拠し始めた。

青果チーフが市場よりこだわりの芋栗南瓜やきのこ類をせっせと調達する。

やはり、旬は旬でも、より”うまいもん”が食べたいものだ。

で、このタイミングでオカンから

「あんた、栗ごはん炊いたから食べて帰りや!」との電話。

シルバーウィークたるものを利用して妻が帰省しているため、

「なんか作ってや!」とお願いしてたのだが、「おっ、栗ごはんかー」である。

”オカンの栗ごはんって何年ぶりや?”などと思いながら食べてると

「梨あるけど、いるか?」「いや、いらん」「そない言わんと、まあ食べや!」

かわいい息子に食べさせたいんか、半ば強引に剥きだす。

オカンか!である。オカンやけど…。

まあ、しかし、懐かしいものだ。

この慣れ親しんだ味、そう、”おふくろの味”である。

それは、旨いとかまずいとか関係なしに人それぞれ誰にでもあるものだが、

この先”おふくろの味”ってどないなるんやろ?

たまに、こんな風に思ったりすることがある。

というのは、売り場を見回しても簡単調理!っちゅう商品が少なくない。

レンジでチンッちゅうやつとか…。

お客様のニーズがあるので、もちろん応えなくてはならない。

だって、まあまあ旨いし…。

でも、それやったら”おふくろの味”がみんな一緒になってしまうやん…である。

そして、そればっかりが食卓に並ぶというわけではないのも知っている。

どうしても…って時だけ利用されてる方もいらっしゃるだろう。

ただ、この楽を覚えてしまえば、いかんせん流されてしまうのが人間だ。

食品以外でも車や携帯電話など…、便利すぎる世の中。

いまさら昔に戻って…とかいわれてもまあ無理である、よっぽど根性がないと。

そう、歴史は戻れないのである。

戻れないのであれば、ストップをかけなくてはならない。

人間もアホやないので、あまりいきすぎるとストップをかけるであろう。

アカン!このままやったら、えらいことになるわ…とか言って。

その時期がまさに今とちゃうんかな…?

…なんて、便利な真空パックの剥き栗を使わずに

邪魔くさいけどオカンが自分で剥いた栗でつくった「栗ごはん」なもんやから

ちょいちょい薄皮がついていて、それを口から取り除く作業をしながら

「この作業があってこその栗ごはんやで!」

などと、ペッペッ…ひとり納得しつつ、ペッペッ…ふとそう思った次第だ。

妻よ、おまえも息子たちに栗ごはん炊いたれよ。

いちから作るやつでな、おふくろの味でやで。

2009/09/22

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  1. ヤッホー!もとちゃん…こんなのでも良いですか? より

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