愛すべき…。
奈良から産地直送のおいしい野菜を販売するイベントをさせていただいた。
野菜ソムリエさんも来てくださるし、とにかくね、鮮度が良すぎて
茄子なんかも往年のロードウォーリアーズか!ってぐらいトゲってた。
で、その社長さんとお話をさせていただくなかで
「いや~、ええお客さんが多いですね~」とのコメントをいただく。
何を根拠におっしゃられるのかわからないが、結構そう言われることがある。
そう!そうなんです!店はたいしたことないんだけど、ええお客様ばっかり!なのだ。
この言葉は「ええお店ですね~」なんて言われるよりも、100倍うれしい。
いやね、先日も、本店のお客様が堺駅南口店に来られてね…
「いや~…、にいぃぃぃちゃん。やっと会えたわ…」
「いやいや…、そないたいそな。わざわざ、おおきにです」
「やっと言えるわ…。にいちゃん、おめでとうさん!なっ」
んっ?なんや?おめでとうって?なんかめでたいことあったかな?である。
「おめでとうさん!って、なんですの?」
「新しい店のことやんか。銭湯で話はよう聞くねんけどな~、行けずじまいでな。
目医者行ったついでに、今日こそは!って寄ったんや。遅なって、ごめんやで」
いや、もう、ぼちぼち2年になりまっせ…である。
しかしだ、こんなうれしいことはない。
2年間もの間、気にかけてくださってたことに感動すら覚える。
ほんまにええお客様、そう、愛すべきおかあさん!なのだ。
「おおきに!めっちゃうれしいですわ。今度、銭湯で背中流しまっさ!」
「なんでやねんな…、ええよ、ええよ。おばあの裸見てどないすんねん…」
いや…、行かへん、行かへん。冗談やがな…。
ええお客様というのは、ほんと、有難くって、うちのスタッフも
こんな言葉をくださるもんやから、めっちゃ頑張るし、それに対して
またうれしい言葉をいただけて、で、このサイクルが
実は社員教育にもなったりして、お客様が店を育ててくれる。
愛やね、愛…なんて、しみじみ思う。
レジを済ませ、買物袋を持ったおかあさんと出入口で再び会った。
「おおきにです。また、顔見せてくださいね~」
「ひとりやさかい、ぎょうさん買われへんでごめんやで」
く~!である。
「なんでやな…。何も買わへんでもかまへんよ。顔出してって…」
「よっしゃ、よっしゃ!ほなな~、にいちゃん」
これぞ、商売の真骨頂!なんて、意気揚々と現場に戻ろうとすると…
「ところで、にいちゃん。どっち向いて帰ったらええねん…。あっちか?」
「なんでや!逆や、逆!そっち歩いていったら、大阪に出てまうで…」
最後の最後まで愛すべきである。
2012/06/07
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