僕でっせ!
昨日、愛すべき勘違いがあったのでお伝えしておく。
この際、はっきり言っておこう
私、カイチョーは日之出屋の社長の息子である。
別に「息子でんねん!」と言いふらすようなことはしていないのだが、
お客様同士の会話のなかとかでその情報が広まるのだろうか、
だいたいの方は知っていただいているもんだと思っていた。
まあ、息子であろうが、なんであろうが、
お客様にとったら関係ないっちゃあ、関係ないんだけど…、
いやね、昨日の晩、アルバイトの子が急きょ来れなくなり、
閉店間際でレジに入ることになって、お客様をお迎えしていたら
「あんた、ようがんばるな~。また今日も居残ってんか…」
と、なぜか気持ち怒りながら買い物カゴを”ドンッ”つって
愛すべきおかあさんがつぶやくのだ。
しかも、レジ打ち中もずっとブツブツ言いながら怒りがおさまらない様子。
「ほんまに…、ここの息子といったら…」
ってな感じのことが聞こえ、思わず商品を落としそうになる。
『あれっ?俺のことで怒ってる?』と思い、耳をすませた。
「ほんまにしゃあないなあ…。目上のもん残して…。」
なんてことをつぶやいてる…。
「んっ?」である。
思いきって聞いてみた。
「どないしましたん?」
「いやな、にいちゃんは頑張ってるよ。それに比べて、ここの息子や。
先に帰っとるがな。しっかりせえ!って、あんたから言うたり!」
「いや…、僕が帰ってええで!って言いましてん」
「なんでや?息子にさせたらええがな!若いのに…」
「いや…、僕、息子ですねん…」
「えっ…。うそ…。あんたが息子かいな。そやかて、メガネしてないし…」
なんじゃそれ…、どんな理屈や!である。
「えっ、あのメガネかけた子とちゃうんか?えっ、背も高いし…」
そら、親子でも背ぐらい違うわな!である。
「えっ、ほんでも…、そない似てないし…」
もうええやろ!オカン似や、オカン似!である。
往年のデカ長ばりに疑い続ける最中、おかあさんといったら
ずっとズッコケたような態勢でのけぞってたわけだが、最後に
「ほうか…、あんたが息子やったんか…。そら、知らなんだわ…。
ところで、親方よ!この勘定、まけてくれへんやろか?」と忍法変わり身の術。
さすが、愛すべきおかあさん。
タダではこけへんわ…。
2012/01/28
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