仁。

昔の話だけど、私は剣道を小中高と続けた。

当時、しんどいだけで何がええねん!としか思わなかったが、

大人になると、剣道というか武士道ってめっちゃええやん!に変わる。

で、息子3人とも日本男児なら小学校の間ぐらいは剣道せぇ!つって

泣こうが喚こうが関係あらへん、首根っこつかまえて通わせた。

しかも、日本の正しい座り方は「正座や!」つって

書道もそろばんも、正座の習い事みないっとこか!と通わせた。

良いのか悪いのかわからないが、ま、今さらどうにもならない…。

さて、当時の私、厳しい道場でほんまに嫌々通ってたわけなんだけど、

剣道の初歩の初歩「礼」に関しては、身体に染み付ついてたりして

今となってはね、本当に有難く思っている。

ただ、そんなこと言ってる割には…と未だに気になってることがひとつ。

結婚式。

えーっと、ま、女性っていうか妻はウエディングドレスがいい!ってなる。

ってなると、必然的に教会で結婚式を挙げなければならない。

誰や知らん外国人の神父さん?が「ナンジ、ヨイトキモ…」って言う。

いや、ええねん、別に嫌いじゃないし、そんなもんや!思うねんけど、

イエス・キリストは「えっ、誰?」ってなってるやろな…って思ったわけ。

だってね、何十万回と日本の神さんに頭を下げてきたわけ、ずっと剣道で。

道場に入ればペコ、稽古始まればペコ、神前に拝礼!いうてペコ…

すべてに神が宿るから、ペコペコと飽きもせず、ペコリイズム全開である。

そやのに、あんなにしてきて、ここ一番って時にだ、キリストを選ぶって…

天照大御神は器がでかいから怒らんやろうけど、3つぐらい下の神さんは

「あいつ、なんやねん!嘘やろ…なんで?外国の神さんとこ行くねん!

ってか、ええの?そんな急に?まずは、ワシらに挨拶すんのが筋やろ」

ま、口にはせえへんやろうけど、心の中で思ってんちゃうか?ってなった。

それぐらい日本の神さんには申し訳なく思い “せめて…”

とお詫びの意味を込めて、お色直しに関しては

「すまんけど、俺、袴を穿かなアカンわ…おまえ、着物にしぃ…お願い!」

と、妻へ拝み倒したのを思い出す。

剣道を長く続けてきたからであろう、

めっちゃ日本思考に仕上がっているような自覚まである。

で、なんやろう、次男がそうなってきてるんちゃうか…と。

彼は高校1年生で、兄弟で唯一いまだに剣道を続けている。

たぶん、そのせいだ、思考が、令和っぽくない。

家で、寝る時には「ベットはいらん!布団がええ」とか

飯を食う時も「椅子はいらん!地べたに座って食う」とか

高野豆腐・芋の天ぷら・蕎麦・白米が好物とか

まさか、舶来のものを受け付けないようにしているか…も…

んっ?その調子だと、おまえ、将来、結婚式…なんて心配したが、

中高はキリスト教精神の学校だから、私みたいにキリストが「誰や?」

とはならず、「おー、おまえか!」になるやろうし、そこは安心する。

いやー、なかなかザムライのそんな次男が誕生日を迎える。

武士道精神でめっちゃ大切な「仁」を名前につけた甲斐があった。

とはいえ、うーん、「はあぁぁ、明日も稽古やぁ」とか うるさい。

黙れ、小童!

それを乗り越えさせるためにやってくれてんねん、先生は!

そんなもん、休みにした方が先生かて楽やけど、すんねん、先生って。

子供のために献身的な「先生」とか「指導者」には、ホント頭が下がる。

次男よ、義とか仁はどこいった?礼わい!感謝せぇ、あほんだら。

ともあれ、誕生日おめでとう。

2023/09/18

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  1. ヤッホー!もとちゃん…こんなのでも良いですか? より

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