メロン玉。

いくら考え抜いた商品だろうと、世の中に出した瞬間から

あっちゅうまに陳腐化がはじまる…と思っている。

例えば、携帯電話。

まず、ポケベルなんてのが出てきて、「おー!」って感動していたら

次にPHSとかパカパカするヤツが出てきて、「おー!」って感動していたら

今度はスマホなんてのが出てきて、「おー!」って次々と感動していたんだけど、

なんつうの、今ではスマホもビックリするぐらいに「普通」って感じなのね。

うーん、あれだけ「おおぉー!」って感動していたのに

時間が経過すれば、まあぁぁぁ…普通に何にも感じなくなっている。

そう、この凄まじいスピードのなかで商品開発をせなアカンのか…と頭を悩ます。

一方では、それ一本でようやっていけるなぁ…ってのもある。

近くにある「かん袋」さんがそれにあたる。

そう、くるみ餅一本!

しかもだ、歴史が尋常ではない。

創業が1329年っつう奇跡の700年。

700年ってことはだ、戦争どころか〇〇の乱とかも乗り越えてきてるから

「不景気」「コロナ」レベルの問題なんて、それがどないしてん!の歴史である。

じゃあ、その中で存続の危機っていうか一番あせったのは?と想像すると…

カステラ、いや、「かすていら」ってのがあるらしいと長崎まで食べに行って

「うんまっ!な、なんや、これ…ヤバいな…」なんて青ざめた時と睨んでいる。

あと、屋号の由来もえげつない。

えっ?うそっ?かん袋って屋号は、あの豊臣秀吉が決めたって?である。

あれだ、秀吉さんが「おいっ、千!茶でもしばこや」なんて千利休を誘うと

「へえ。堺でお茶しはるんやったら“くるみ餅”やさかい、用意させてまっさ」

「くるみ餅か…ええなぁ、あっ、ワシが名前つけた“かん袋”で買うてこいよ」

「え、あ、そ、そ、そりゃ、そうでしょ…。ま、間違えたら腹切らなあきまへん」

なんてね、もしかしたら、あの切腹は…諸説あり…知らんけど…。

閑話休題

ま、なんせ、すぐに陳腐化する時代ではあるが、本物は残るってことだ。

で、何が言いたいのかというと、今後もどうか残ってほしいアイテムがある。

回転寿司のサイドメニューで目にしたときに「おわっ、懐かしい…」

と、3つぐらい慌てて食べた“メロンのやつ”である。

うちの担当の者に「探してくれ!」とお願いし、やっと入荷した。

名前は知らなかったが、どうやら「メロン玉」というらしい。

井村屋さんのヤツとどっちがどうとかわからないが、

「これこれこれ…、めっちゃ好きやったわ…」と懐かしんでいる。

食べ終わった後、捨てようとすると、おばあちゃんあたりから

「こらっ、捨てたらアカン!なんかの入れ物に使えるやろ」と制止されるも

いや、何に使うねん…とつっこむエピソードまで飛び出すほど懐かしい。

昭和・平成・令和…と、どれだけ時代が変わろうとも

「メロンのヤツ」だけはどうにか残ってほしい…

そう思うと居ても立っても居られず、ブログに綴った次第である。

久保田の「メロン玉シャーベット」よろしくお願い致します。

2021/05/18

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  1. ヤッホー!もとちゃん…こんなのでも良いですか? より

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