プレジデント。

来店される愛すべきおかあさんが、よくよくお話しすると、

地元のツレのおかんだったりってことはよくある話なんだけど、

今日はちょっと違うパターンで昔を懐かしむことができた。

「にいちゃん、北口くんって知ってるか?同級生いうてたけど…」

「んっ?おー!中学ん時の。知ってます。知ってます。どないしたんですか…」

「いやな、うちのお父さん、病院通てんねんけど、担当が北口くんやねん」

「えっ?あいつ、医者なんや?かしこかったからな~」

「そやで!ようしてもろてんねんて。ほんで、あれやで、部長やで!」

「ぶ…部長…?えっ、あの病院の…?だいぶえらなっとんな~」である。

そう、彼というのは、中学の時、同じ塾に通い、地獄の日々を過ごした戦友なのだ。

まあ、彼はかしこかったので、それほど地獄でもなかったと思うが、

いやね、その塾というのが、今では考えられない+ありえないスパルタ塾で

たとえば、小試験なんかを授業前にして休憩時に答案を返してくれるんだけど、

「80点以下はもう帰ってええから…、え~、岩橋くん、帰れ!〇〇さん、帰れ!…」

ってな感じで、まさに血も涙もないってのはこのことで、

バッサバッサと切り捨てていくその様は、見事な地獄絵図であった。

で、家に帰るに帰れない我々は、100円バーガーショップに集まり、

あの鬼の弱点はいったいなんやねん?って話で盛り上がったりしたんだけど…

15の僕に言いたい!勉強しろ!である。

そんな私たちなんかとは違うくって、

よく宿題も見せてもらった北口くんが医者か~!と感慨深いのだ。

そういえば、私は彼に命を一度救われたことがある。

それは、塾での英語の時間。

「大統領って英語でなんや?え~、岩橋、答えろ!」と当てられて、

『そんなもん、知るかい!』なのに「え~と…」とか一応言ってたら、その鬼が

「じゃあ、ヒントや。家がスーパーやったな。インスタントコーヒーの名前や!」と。

『えっ?コーヒーって、まさか、あの名前が、大統領?絶対ちゃうやろ…

でもな~、コーヒーの名前ってそれしか知らんし…』の葛藤のすえ、

『もう、わからん!ええわ、言うたれ!』と踏ん切り、「ゴ…」って言おうとしたその時

「プレジデント…」と、絶妙のタイミングで隣から北口くんがアドバイスをくれたので

喰らう覚悟でいた鬼の強烈な一本背負いは不発に終わったあの一件。

あの時、「ゴールドブレンド」なんて言ってたら…と考えただけで背筋が凍る。

しかも、皆からのあだ名が「ゴールドブレンド」って可能性だってあったのだ。

今思えば、その時から医者を目指していたのか?と懐かしく思う。

北口くん、頑張っとんな~。

よっしゃあ、私は、堺駅南口で頑張ろう!である。

ちなみに、塾の卒業式で彼は「本当によくがんばったで賞」に対して

私は「炎のアゴ賞」、よくやめないで喰らいついとったから…と最後まで鬼だ。

赤鬼先生、買い物こられましたら、挨拶させてくださいね。

「プレジデント」をお買い得価格にてご奉仕させていただきますね。

2011/03/07

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  1. ヤッホー!もとちゃん…こんなのでも良いですか? より

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