サウナ。

50歳にして、月に一度、ギターを習っている。

10年後の壮大な夢に向かって今から練習である。

今回与えられたお題は、こんなおっさんなのに「あいみょん」。

あいみょんには申し訳ない…と思いつつ、必死のパッチだ。

練習後、いろんな疲れを癒しにとサウナへと向かった。

“石の前にも8分”のルーティンで、一番前に座る。

すると、すぐ後ろに高校生だろうか仲良し3人組がやってきた。

聞くつもりはないんだけど、恋愛話が嫌でも耳に入ってくる。

A「それで、どうなん?」B「インスタを交換して…」

まあまあ大きめの声だから、サウナ中のおっさん全員に丸聞こえ。

A「なんで、あの子なん?」B「ま、一目ぼれってやつやな」

おいおいおいっ、まあまあの音量で…そんな赤裸々に…

もうね、私を含め裸のおっさん8人ほどが、キュンっていうか

ポッ…てなって、室内の気温が2・3度上昇する。

なんかね、Aは自称「恋愛マスター」で、偉そうにBを指南する。

Cはおとなしいヤツで、興味もなく、はやく出たいな…って感じ。

で、そうこうするうちにBが乗ってきちゃって、話が走り出す。

それに対して、Aがいちいちいちいちアドバイスをするわけ。

「いや、ちょっと、Aは黙れ!Bの話が進まんやないかい」

裸のおっさん8人はこう思っていたはず、間違いない。

いよいよ初デートに至るみたいで、話は佳境へ。

当然のようにAがでしゃばりだす。

「初デート…あっ、映画はやめとけよ、映画はアカン、映画は」

な、なんや、急に…映画はダメ?えっ、なんでやろ?

裸のおっさん達は、聞き耳どころか、もうサウナどころではない。

あれだけ沈黙を決め込んでいたCまで

「えっ、映画はアカンの?なんで、なんでなん?」と興味津々。

目の前の石から立ち昇る蒸気まで「?」に見えてきた。

恋愛マスターの回答に裸10人が固唾を飲んでいる。

満を持して力強く、そして、堂々とこう言った。

「しゃべられへんやろ」

なんやそれ!!どういう理屈やねん、そういうもんや、映画って…あっ

ほらっ、みぃ、聞いてられへんってCが出てってもうたやん!である。

“キテレツ恋愛マスター、おもろ過ぎる”と、心の中で大笑いするなか

Bがボソッとつぶやいたのを、私は聞き逃さなかった。

「そうか…でも、どないしよ、映画の約束をしてもうたわ…」

気にすな!気にすな!キテレツの話みたいなもん無視せえ!だ。

ここまで盛り上がると、Bがどんな奴なのか気になって仕方がない。

立ち上がってそれとなく振り返ってみる。

おわっ、めっちゃデカいやんけ!

柔道部、もしくはラグビー部で、図体はデカい割に猫とかが好きな

心は優しくて力持ち、あだ名は「超人ハルク」といったところか

悪い癖で妄想が爆発する…。

ハルクよ、キテレツの話を最後まで黙って聞くぐらい

おまえって優しくてええヤツやねんから、大丈夫や!

そんな君にこの曲を贈ります、あいみょんで「裸の心」。

♬その恋が実りますよに~少しだけ~少しだけ~そう想わせて~

今~ 私 恋をしている~ 裸の心 受け止めて~ である。

ありがとう、ええサウナになったわ。裸の8人を代表して

お礼を言うとともに、恋の成就を祈ってるで。

2025/03/03

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  1. ヤッホー!もとちゃん…こんなのでも良いですか? より

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