オカン。
47年前、日之出屋ってのは八百屋に毛がはえたようなお店でスタートした。
そこで働くのは、おじいとおばあとオトン、そして、オカンの4人。
今ではすっかりおばあになっちゃったが、当時は看板娘として
現場をあっちゃこっちゃ切り盛りしていたのは、
一番若手であったオカンであっただろうと思う。
というのも、当初からオカンとともに歴史を歩まれた
愛すべきおかあさん達が私の顔を見るなり、口を揃えておっしゃられるのが
「おかあちゃん、元気か?最近、顔見いひんで・・・」だからだ。
ホント、最近はたまに現場に顔を出すぐらいなので、
タイミングを逃したおかあさんなんかは
「まさか寝込んでんちゃうか?」とでも思っているのであろうか・・・。
で、昨日、オカンにそんな話をしたもんだから、現場に顔を出してたんだけど、
まあ、今日はえげつないほど、言われる、言われる。
「なあ、にいちゃん!昨日、おかあちゃん来てたで」って。
いや・・・、知ってる!知ってる!いちいち言うてくれんでも、知ってる!である。
しかし、なんちゅうの、彼女は現場に出ると、昔の血が騒ぐのか、しゃべるしゃべる。
新旧問わず、誰かれかまわず、気軽に声をかけるまさに大阪のアレだ。
そんな中、最近であろうか新しく愛すべきおかあさんになられた方がいらっしゃて
大阪のアレ寄りの方なもんだから、大阪のアレ×大阪のアレっちゅう
相乗効果で話す声がドンドンでかくなり、売場の端まで聞こえてくるほど・・・。
もうね、お気に入りの飴ちゃんの交換が行われるんじゃないか?ってほどだ。
「あんた、顔見せへんし、辞めたんかって思ったやろ」
「いや、奥さん、ゴメンやで。辞めるわけありませんやん」
「あのな、歳やねんさかい、今、辞めたら次雇てくれるとこないねんで」
「ほんまやな、頑張るわ!」
「そや、しがみついてでも頑張るんやで」
「よっしゃ、よっしゃ!おおきにです」と。
いやいや・・・、オカンよ、よっしゃ!やあらへん。言わんかい!
後で、そのおかあさんから
「あんた、あの人辞めさせたらアカンで!」
なんて釘を刺されたのは言うまでもない・・・。
2013/06/11
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