アレ(995話)。
男が指輪やネックレスなんか…せんでええ!とか思っている。
そんなことを言うと、長男が決まってこう言う。
「いや、もう、ええって…いつの時代や」と。
確かに、時代はジェンダーレス。
こんなことをブログで綴るのは良くないと思う。
しかしだ、こんな感じで49年も生きてきて
今さら「何とも思うな!」言われたかて無理やで…なのだ。
身内だから、どうか許していただきたいのだが…
もうね、長男のほっそいほっそいネックレスが
見たくなくても、チラッとね、目に入るたびに
「ワレ、ボケ、こらっ、どんだけイキっとんねん!」
引きちぎったろか!衝動を抑えるのが大変なぐらい。
いや、アカン、アカン…受け入れていかな!である。
料理なんてのもそうだ。
いまだに「男子厨房に入らず」を決め込んでいる。
ただ、これもね、妻が受け入れてくれているからこそ
成立するわけで、この考えは、古っ…とか言われても仕方がない。
しかもだ、作ってくれたものに対して「あっ、美味しい」とか
気の利いたことでも言ってるのかというと、言ってもいない。
そりゃね、絶対、言った方がええに決まっている。
せやけど…じゃあ、まあ、仮に言ってたとしよう。
それがね、最初は「あっ、美味しい!」ぐらいで良かったのが
もう、かれこれ20年ほど彼女の料理を食べてるわけでしょ
だんだん「美味しい」ぐらいでは何とも思わんようになってきて
最終的に「う、うま過ぎる。もう、どっかで店せぇよ」とか
なんや立ち上がって拍手のひとつでも贈らな…ってなるであろう。
それやったら、最初っから言わんをベースにしてた方が…なのだ。
とはいえね、ほんまに美味しかったら美味しいとちゃんと言う。
さすがにね、私もそこまで腐ってはいない。
先日も、エビフライが出てきて
”んっ、あれっ?めっちゃ旨いやん!”ってなった。
瞬間的に言えばいいんだけど、ここはひとまず深呼吸。
絶対いつもと違う…ってか、いつもより確実に旨いような…
これは言うてええもんなんか?気ぃ悪せえへんやろか…
ってか、いつもと違うって、よその店で買うてきたんちゃうん…
おいおいっ、それやったら旨いって言いたないっていうか…
調理方法を変えた?いや、素材やで、絶対、どないしよ?…
この間、約3秒ほど…で、ようやく、重い口を開く。
「なぁ、このエビフライ、どこで買うてきたん?」
「えっ、なんで?日之出屋やで」
おっしゃあ!なっ、なっ、やっぱりちゃうねん!せやろがい!
心の中では、もうね、立ち上がって拍手を贈っている。
そこではじめて、「うーん、めっちゃ旨いな!」を彼女へ伝える。
「アレか…パン粉がついてて揚げたらええだけのやつか?」
「うん、アレな、美味しいわ。エビフライ作るん、もう辞めた」と。
そうか、料理すんのを辞めたか…すまんなぁ、アレは美味しいからなぁ。
えっ、よその店のでも旨かったら言えばって?せやねんけど…うーん…
ジェンダーレスに関しては、時代の流れに合わせてめっちゃ対応するが、
お店の差を無くして表現する?…それは無理や、負けたない!である。
揚げたらええだけの「アレ」、是非お試しください。
ま、なにわともあれ、妻よ、美味しい料理をいつもありがとう。
2023/10/09
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