アイス。

本日の私の「愛すべきチビッコ(お客様)」を紹介いたします。

お肉の売場で、眉間にしわを寄せながら、なにやら探し物に精を出すチビッコ。

「お?、つかいか?えらいやないか!」

「あ?、おっちゃん!一人で来たんやで!一人で!」

なんぼ言うても、”おっちゃん”は譲れないらしい。

「どないしたんや?何を買うてこい、って言われたんや?」

おかあさんから「ありがとう!」のたったその一言が欲しいがために

見たいアニメを我慢してまで買物に来た純粋な心を持つ彼が

メモ書きされた紙を見ながら必死のぱっちで探していたもの、

そう、それは、「にんにく!」。

わからなくもない。

ただ、肉の売場で探している以上、ミッション・インポッシブルである。

アカン!ちょっとでも笑ってしもたら、アカン!

私がもしも少しでも笑ってしまうことで、彼の今後のおつかいはまず無い。

「また、笑われるかも…。恥をかくかも…」と。

ここは、歯を食いしばってのウソも方便。

「お?、惜しいな?。勘違いしやすいねん!俺もよう間違えたわ!

”にく”ってついてるけど、あれや、にんにくって実は野菜やねん」

彼のご機嫌を伺うかのように、やさしい口調で

「なんか、わからんことあったら、聞くんが一番やな。今したように、な!」

などと話しながら野菜売場へ向い、彼のミスをもみ消した。

「もう、わからんこと無いか?」、彼の任務を是が非でも成功させたい私。

そうはさせまいと阻止するかのように、メモ書きされた紙には

「おいしそうなアイス」と、かなり難易度の高い指令。

彼のセンスを信じるしかない。

で、選びよったのが、これ。

aisu

なかなか渋いやないかい!である。

「お?、これは、間違いない。むちゃくちゃ旨いからな!

だいぶ昔から人気やで!おっちゃんが子供の時も…」

♪僕らの生まれてく?るずっとずっと前にはもう?…

などと、ただ彼の笑顔が見たくて歌ってみせたが、走ってレジへ。

まあ、ええけど…、である。

これからも、おかあさんのために「おつかい」に来るのを祈るばかりだ。

私は「歌がうまくなるように!」と、短冊に願いを込めなくては…。

お買上げ、ありがとうございました。

2008-07-07

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