ほっとする。

時は5時30分、会社帰りの方々などで賑わう店内。

「すいません!」と、私を呼び止める声がする。

振り返ると、そこには、背丈が170cmぐらいであろうか、

どこぞの名のあるモデルさん?ってなぐらいのスラッとした女性が

なんと”がしら”を2匹手にしながら…

「調理していただけませんか?」っておっしゃってるように聞こえた。

聞こえた?いや、だって…、D&Gのサングラスに”がしら”…である。

そりゃあ、「えっ?あっ、はいっ…」である。

このギャップに「間違えてません?それ、がしらでっせ!」とも言いたくもなる。

「ちょ、ちょっ…、ちょっと、お待ちください」

え~と、あれ?包丁どこや?ウロコかきは?あ~あ~エプロン、エプロン…。

なんかこう面を食らったお願いにバックヤードを行ったり来たり…。

その慌てっぷりは、長友と互角に渡り合える運動量を発揮し、

ザッケローニ監督も思わず日本代表へのオファーを出しかねないほどである。

で、早速、ウロコをとる作業に取り掛かったのだが、

私の目の前で待ってらっしゃるもんだから、我慢しきれず、

「お客様、この”がしら”、どない料理しますの?」って

”今日は天気がいいですね”ぐらいの軽いタッチで聞いてみた。

「煮付けにします」と、スラッとした感じでおっしゃられる。

「おいっ、がしら!聞いたか?”煮付けにします”やぞ。

どんだけ幸せもんやねん、おまえは。この質問に対しての答えは

9割がた”炊くねん!”もしくは”揚げんねん!”や。それを”煮付けに…」

声には出さないものの心の中でウロコをかかれてる”がしら”に言い聞かせた。

いやね、ほんまにね、”魚離れ”を痛感している今日このごろ、

風貌は今時のナウいモデルさんなのだが、

お母さんかおばあちゃんからしっかりと日本の伝統を受け継いでいて

まあ、こんなにうれしいことはない。

それはもう、マリオがスターを取ったのとおんなじぐらい

♪ティンティンティティ…って小躍りしたくなるのを抑えながら

「いやね、魚食べる人少なくなってきましたから

”がしらの煮付け”なんて聞くとホッとしますわ」

ってなことをついつい口走ってしまう始末。

それに対して「え~、美味しいのにね~」と、また、ええこと言いはる。

このお客様は、間違いなく

オカンに「えらい上手に食べたな~」って褒められるぐらい

上手に食べはるんでしょう。

いや~、”がしら”でここまで清清しい気持ちになるなんて…。

いや、ほんと、魚食べようぜ!である。

2011/05/06

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これまでのコメント

  1. 山埜 真紀 :

    ブログの事聞いてたのでちょっとのぞきにきました||電柱||ョ・ω-) チラッ
    これって・・・綺麗なモデル風のお姉さんが気になったんじゃないですかぁ??(笑)

    また、遊びに来るねぇ(^.^)/~~~

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  1. ヤッホー!もとちゃん…こんなのでも良いですか? より

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