おっちゃん。

小学校3年生が学校の行事でお店へ探検にやってきた。

まあ、なんとも可愛らしい限りだ。

私んとこは息子3人だからってのが原因なんだろうけど、

また、女の子がかわいいこと、かわいいこと…。

我の子やったら心配し過ぎて気ぃ狂てまうわ…である。

魚屋さんがバックヤードで子供たちに調理前の鮟鱇を見せる。

「うわっ、鮟鱇や!気持ち悪っ」と鼻をつまみだす女の子。

いや、なんで鼻や!気持ち悪いんやったら、目を隠せ、目を…。

ほんで、鮟鱇や!鮟鱇や!言うて皆でギャーギャー騒ぐ中

「もう、アレやん、カエルやん!」と真顔でツッコむ女の子。

いや、もうすでに”♪大阪で生まれた女やさかい~“になっている。

もっとこう、「カエルに見えるぅ」とかさぁ、女の子なんだから

カエルやん!って…でも、まあ、ほんま、女の子はかわいらしい。

で、ひと通り店内を見回った後、全員からの質問タイム。

かわいらしい質問ばかりかと思いきや、最後の方は

「なぜスーパーをしようと思ったんですか?」とか

「どんな気持ちで働いているんですか?」とか

いや、どんな気持ちって…

お店へ来る前に、映画“君たちはどう生きるか”でも見てきたん?

質問がシュッとしてるというか、シュールというか

なんかね、令和の小学校3年生は品がええように感じる。

だってね、誰ひとりとして「おっちゃん!」とか言ってこない。

めっちゃ「おっちゃん」って呼んでほしいのに…。

よくよく考えると、おっちゃんらしいおっちゃんを見なくなった。

私が小学校3年生の時なんて、おっちゃんしかおらんかったような…。

白のランニングシャツ一枚でウロウロしてるおっちゃん。

ラジオを自転車にひっかけて酒飲んでフラフラしてるおっちゃん。

お好み焼き屋の角っこにあるテレビで野球見ながら、ヘラ持って

「こらっ、なにしてんねん、掛布!どつきまわしたろか!」

って、一生懸命にヤジを飛ばすおっちゃ…いや、おっさん。

ゾンビみたいにいっぱいおったけどなぁ…

今でも忘れられないのが、学校帰りにおっちゃんが

「おいっ、ちゃんと勉強してきたか?」とか気軽に話しかけてきて

「あー、おっちゃん。してるに決まってるやん」

「勉強はせなアカンぞ。ワシみたいになるからな。なんか教えたろか?」

「今日は、あれや、漢字の勉強してきたで」

「漢字なぁ、漢字は覚えんでええ。前と後を読んだら、だいたいわかる」と。

なんでやねん、嘘つけ!である。

ワシみたいにならんように勉強せな…と、心に誓った夏の昼下がりのことだ。

そんなおっちゃんも、ある日を境に「最近、見ぃひんな」って事もしばしば。

学校帰り、あれだけうっとおしく感じてたのに…いつでも捜してしまう

どっかにおっちゃんの姿を 交差点でも 路地裏の窓

そんなとこにいるはずもないのに。

今思えば、そこにおるだけで安心感があったような気がする。

そう、地元のおっちゃんなんてね、仲良くしてて損はない…はず。

特に女の子は、なんかあったらすぐに店へ逃げ込んだらええぞ。

私はおっちゃん待ちやから、遠慮せんと「おっちゃん」って呼んだらええ。

ただ、知らんおっちゃんには絶対ついていかないように!

うーん、ええのと悪いのがおるからな…。

子供たちが安心できるええおっちゃんを目指さなアカン。

そういうものに 私はなりたい。

2023/10/02

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