おじい。
お盆っつうことで、まあ、それ以外は忘れてるわけじゃないけど、
毎朝、鏡を見て「おいっ、お、おじいよ、隔世ってやつやぞ…頭」
なんて忘れたくても忘れないんだけど、
仏壇にチンッなんていわしたりするとだ、う~ん、おじいの思い出とかが蘇る。
両親がスーパーの仕事で忙しかったため、幼いころ、私の面倒をよくみてくれていた。
特に「剣道」の送り迎えなんかは大活躍で、
彼が面倒をみてくれなかったら、たぶん、続けていない…。
その車中、戦争時は通信を担当してたらしく、ただ多くを語らなかったな…とか、
これから剣道やっちゅうのに「野球はええぞ」って一塁手だった話とか、
なぜか信号で停まるのが大嫌いで、信号が赤に変わりそうになれば
「左や!」って小路をいくら指示しても、「男は大道を往け!」って譲らないとか、
バナナを初めて食べてビックリした話とか、バナナは黒い方が絶対旨い話とか、
昔はな…って昭和初期レートを引き合いに出し、10円がどれだけ大金か!って話とか、
私の人間形成にどれだけ役に立ったか…なんて、枚挙にいとまがない。
でね、私のおじいとシンクロしたのか、今日は愛すべきおとうさんの話題。
いやね、お店に「忘れ物」ってのがよく届く。
お買物した物とかが一番多いんだけど、
なかには、「杖」であったり、「手押し車」であったりして、
お買物されて帰る途中、
「んっ?来る時となんか様子が違うぞ」ってならないのかな?なんて思ったりする。
そうそう、うちのおじいも傘をよく忘れて帰ってきて
おばあに「ほんま、持って帰ってきたこと無いな!」ってよく怒られていたものだ。
私も含め人間ってのは、ホント、よく忘れる…。
で、まあ、愛すべきおとうさんなんだけど、一本の電話がかかってきたわけ。
「お~、すまん、すまん。入れ歯忘れてなかったか?」ってね。
あのね、The Customer Is Always Right!の姿勢はね、
いろんな勉強会とかもいってるし、貫いてるつもり、そこはね。
なんだけど、もうね、「どないしたら?」しか浮かばないの。
まだまだやわ、俺…。
「えっと…、うちのお店ではずしたりしました?」
「ちゃうねん、飯食べにきてんけど、おまえんとこ寄っただけやからな・・・」
「うちの店しか来てへんゆうたかて、家ちゃいますの?」
「う~ん、家かな…。まあ、ええわ。もし、あったら置いといてや」
いやね、もしね、もしもね、っつうか、無いと思うけど、まあ、奇跡的にあったらね、
そりゃあもう、とりあえず一回ビックリしてから、丁重に保管させていただきます。
ただ、どう転んでも「家」しかないやん…なのね。
おとうさん、もしね、あったら置いときますので、また声掛けてください。
あっ、おじいが「おまえだけやで、歯を取り外せてええな~いうてくれるんわ…」
なんて、ボヤいてたことなんかも懐かしく思う。
う~ん、お盆ですから、ご先祖様に感謝の念を忘れずに…。
2014/08/11
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