おしどり夫婦。
惣菜の板長が私のところへ走ってくる。
「あのね、うちにトリュフなんか売ってました?」と。
んなもん、あるか!フランス人か!である。
「そうっすよね。いやね、お客様が”トリュフ”ないか?って」と板長。
んっ?お客様?慌てて店内に行くと、
「お~、にいちゃん!いやな、うちのべっぴんさんが”トリュフ”買うてきて!
いうんやけど…どこにあんねや、そのトリュフっちゅうやつは?」
私のよく知るおかあさ…、いや、べっぴんさんの旦那さんが右往左往である。
「まいどっす。え~っと…、で、ほんまに”トリュフ”いいました?
う~ん…、トリュフでしょ…、トリュフ…トリュフ…」
おとうさんの頭の中で確実に間違って変換されているのだ。
ここは、愛すべきの腕の見せ所である!じっちゃんの名にかけて…
「あっ…、ポトフちゃいますか?」
「それや!にいちゃん、ポトフや、ポトフ!おおきにな~」
板長も「ポトフか…なるほど。ようわかりましたね!」の一言。
板長よ、なめんなよ!である。
どんだけ長いことつきあってると思ってるんや!である。
カタカナは難しいねん!トリュフって間違えやすいねん!なのだ。
で、次の日、愛すべきおかあさんが来店され、
「にいちゃん、おはようさん。昨日、来たやろ。うちの男前」と。
もうええ!いちいち同じようなこと言わんでええ!である。
「なんや、すまんかったな~。にいちゃんに聞いたっていうてたわ」
「いいえ!おおきにです!」
「ふたりで仲良う食べてん。美味しかったわ、トリュフ!」
間違えてる!である。
聞き間違えてないやん!である。
根から間違えてもうてるやん!だ。
「いや…、おかあさん…。ポトフでっせ!」
「えっ?私、今なんて言うた?」
「トリュフ」
「あはは…、ポトフや、ポトフ。まあ、どっちでもええやんか。あっはは…」
笑い倒してご機嫌で帰られる愛すべきおかあさん。
別にどっちでもええけどや…、むちゃくちゃやな…である。
まあ、しかし、お似合いですわ!だ。
今度は仲良う買物に来られるのをお待ちしてます。
トリュフのお買上げ、ありがとうございました。
2011/10/01
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