あれ。
品揃えにおいて、そのほとんどが我々部門チーフの厳選商品で形成される。
生鮮商品にいたっては、「今が旬」を「今が旬」の産地より
吟味に吟味を重ねる毎日だ。
その繰り返しの中、なによりうれしいのが、
「にいちゃん、この前のあれ美味しかったでー」
などのお褒めの言葉。
お客様の喜びが我々の喜びとは、まさにこのことである。
「では、もっと喜んでいただこう!」とするこのええ循環により
さらに良い売り場へと進化させるわけだが、
なかには、愛すべきおかあさんから
「あれ美味しいから置いてぇな!取引でけへんのか?」
と教えていただくことも少なくない。
そんなお言葉を耳にすると
「うちのことを”私のお店”と思ってくれてはんねやなー」
なんて良いように考えてしまい、できる限り品揃えに努めている。
で、土曜日の閉店間際、私の中学の同級生が来店し、
「サントリープレミアムモルツの500mlは、ないんかい!」とのご要望。
350mlは品揃えしていたが、「あっ、そういえば…」である。
女性なので「なんや?おまえが飲むんか?多いんとちゃうか?」
と、遠まわしに「肥えるぞ!」警告を発令。すると…
「あのな、土曜日の晩やで。日之出屋で買物って…やろ!」
「なんやねん!別にええやんけ!」である。
「あのな、土曜日やで。彼氏もおらんし、遊びにもいかんと
日之出屋来て”高野豆腐”やら”ビール”買っとったらあかんやろ…」
「いやいや…、土曜日何回言うねん」である。
「しかも、あれや…。派遣やし、毎日ビクビクもんやねん。
500mlぐらいスコンッ!と、いわさなやってられへん!」
「おいおい…、そないに腐るなよ…」である。
「しゃあないなー。350ml2本飲むわ!」と彼女は店を後にした。
その後姿は、私の知る彼女の面影などなく、「おっさんか!」である。
同級生よ、慌てて500mlを品揃えさせていただきました。
ほんで、あれや…、その、なんだ…、
縁のもんやからな、あんたは慌てんとええ男を探してくださいね。
心から祈っています。
2009/10/12
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